- 年齢を重ねるごとに、だんだんカロリー制限では痩せなくなってくる。
- その原因は代謝の低下。ダイエットに必要な代謝の種類を詳しめに解説。
- 代謝アップに最も効果的で重要なのは食事。減らしちゃダメ。食べながら痩せよう!
若い頃はちょっと食べるのをガマンしたらすぐ痩せたのに、最近ではどうもうまくいかない…
体重自体は落ちる感じがあるけれど、気になるパーツは気になるまま…
20代を過ぎてくると、徐々にこういった悩みが出て来ますよね。単なるカロリー制限でうまく痩せた感じがするのは、せいぜい20代前半までといったところではないでしょうか。
若い時から食事制限による体重の上下をコントロールしていた方ほど、より強くこの悩みが降り掛かってきます。
今回は、なぜ?そのように食事制限を繰り返すと気になる部分がへこまないわがままボディになってしまうのか?そして、そうならないために、今から知っておくべき身体の代謝について、ご説明してまいります😊
また、姉妹サイトの「毛穴レスFACE」では、食事による美肌サポートに関する記事も掲載しています。
毛穴だけでなく、お肌のあるあるトラブル全般について書いていますので、内側からのスキンケアをより詳しく知りたい!という方は、そちらもご覧になってみて下さいね💡
25歳前後からの部分ポチャ。体重が落ちないのには理由が。
夏が近づくと予定も入り始めます。そこで思い出すのが、年末年始の忘年会や、お正月のおいしい料理。あれから数ヶ月…多少は気にして過ごしてきたけれど、実際どのくらい戻ったかな?と体重計に乗ると、まさかの増量。
確かに二の腕は太くなったかな?おなかはちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、前より出た?あわててカロリーを気にしだし、食べる量を減らして過ごしたものの、落とせた体重は微々たるもの。
「あれ?こんなに体重って落ちないモノだった?」といった経験がある人は、多いのではないでしょうか。若いうちから極端な食事制限を繰り返すと、脂肪を落とすのに重要な筋肉がどんどん衰えていきます。
その後、年齢によって容赦なく落ちる代謝により、さらに痩せにくい身体になっていくのです。
痩せても「隠れ肥満」といって、いつでもリバウンドできる体質になってしまいますし、将来的に健康を損なうリスクも非常に高いです。このメカニズムについて、詳しい情報を知りたい方は別の記事も是非ご覧になってみて下さい。
食事の満足度も維持しつつ、健康的に痩せやすい体質をキープするには、「食べなければならい」のですが、常識のようで、どうもインパクトのないこの話、詳しくお伝えしていきます。
ダイエットに必要なのは代謝の力。自分で上げることができる部分は?
なぜダイエットするのに食べなければならないのか、それには人間の代謝のことについて、大まかに知る必要があります。
代謝というと、新陳代謝、基礎代謝、色々とありますが、要は体が取り込んだ栄養を、体内で使用していく流れそのもののことを言います。
ここでは特に痩せるために必要な代謝ということで、エネルギーとして消費される代謝にはどんなものがあるのか?
体重を減らす、脂肪を減らすためには、大きくわけて以下の3つの代謝があります。
脂肪を減らす、エネルギーの消費に関わる代謝の種類は主に3種類
上の図のように、エネルギー消費にかかわる代謝は大きくわけて3つにわかれます。
逆に言うと、この3種類しか痩せるルートは存在しないということです。
名前だけ書いてあってもわかりにくいと思いますが、どのようなもので、どのくらいカロリーを消費し、どうやってその消費量を増やせば良いのか。
順番に説明していきます。
基礎代謝は、安静にしていても使用されるエネルギー
まずはエネルギー消費において最も消費カロリーの高い、基礎代謝について。
これは安静にしていても、体が生命活動を維持するために消費するエネルギーです。
主に臓器によって消費される生理的な活動によって消費されます。
この基礎代謝を上げるためには、どうすれば良いのでしょうか?
身体のどこでどの程度、基礎代謝によってエネルギーが消費されるのか、内訳は以下のようなもの。1日の基礎代謝量が1700kcalだった場合に、各部位でどの程度の割合が消費されるものか、知ることができます。
代謝による消費エネルギーの比率内訳
臓器・組織 | 重量 (kg) | エネルギー代謝量 | 比率 (%) | |
---|---|---|---|---|
(kcal/kg/日) | (kcal/日) | |||
全身 | 70.0 | 24 | 1700 | 100 |
骨格筋 | 28.0 | 13 | 370 | 22 |
脂肪組織 | 15.0 | 4.5 | 70 | 4 |
肝臓 | 1.8 | 200 | 360 | 21 |
脳 | 1.4 | 240 | 340 | 20 |
心臓 | 0.3 | 440 | 145 | 9 |
腎臓 | 0.3 | 440 | 137 | 8 |
その他 | 23.2 | 12 | 277 | 16 |
この表からわかる通り、基礎代謝の中でも最も多くの比率を占めている、つまり、最も脂肪を減らすのに貢献しているパーツは、骨格筋。「筋肉」です。
食事制限を繰り返すと徐々にこの筋肉が減っていき、代謝力が落ちます。
筋肉を増やすためには運動も必要ですが、それは好みのあると思います。ここで重要なのは、運動する、しないに関わらず、この筋肉を減らさないようにすることや、各臓器が脂肪代謝モードを維持するには、食事の力が必要だということです。
筋肉の衰えを抑え、代謝を高く維持するには、たんぱく質を多く含む主菜をメインとした食生活が望ましいです。
生活活動代謝は、普段の生活や運動で消費されるエネルギー。
生活活動代謝は、読んで時の如く、普段の生活や運動で消費されるエネルギーです。家事や運動、通勤時の歩行などにより消費されるエネルギー。体を動かした時に消費されます。
一般にエネルギー代謝全体の20〜30%をこの部分が担っていることになりますが、全体で見ると微々たるものです。
意図的に運動量を増やし、消費カロリーを増やそうとしても、コスパは非常に悪いです。
時速8km、体重50kgの女子が時速8kmで30分走っても、消費されるカロリーはたったの200kcal。
おにぎり1個分程度です。
体脂肪に置き換えると、体脂肪1kgは約7200kcal。
運動だけで考えると、1キロ痩せるには15時間のランニングが必要です。
厳密には、運動することで熱産生が上がったり、副交感神経が正常化したり、アイリシンというホルモンが分泌されて、脂肪が自分から燃焼するよう働きかけたりということもあります。
これは短時間の筋トレを行う方が筋力アップにもなりますし、10分程度の短時間で上記のような効果を得る状態にもっていけるので、もし運動をするのであれば筋トレが最も効率的です。
いずれにせよ食事で栄養がしっかり摂れている前提がなければ、うまくいかない方法ではあります。
食事誘発性熱産生(DIT)は、食事によって生まれる体熱。
食事による栄養素が体内で分解される際に、その一部は熱を発生させます。そのエネルギーが、食事誘発性熱産生(DIT)です。
食べた後に体がポカポカしてきたりしますよね。
そのポカポカした感じが、食事誘発性熱産生によるもの。
食事によって熱が生まれる栄養素とは3大栄養素のことです。3大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)、それぞれの食事誘導性熱産生で消費される割合は以下のようになります。
栄養素 | 単独で摂った場合の食事誘発性熱産生による熱比率 |
たんぱく質 | 30% (約30kcal) |
脂質 | 4% (約4kcal) |
炭水化物(糖質のみ) | 6% (約6kcal) |
これはつまり、たんぱく質だけを100kcal摂取すると、そのうちの30kcalは食事の熱だけで消費されてしまいます、ということです。
また、加齢や運動不足で筋肉量が衰えていると、基礎代謝同様にこの食事誘発性熱産生も低下します。反対に、筋肉が増えると高まります。
食事の摂り方も重要で、よく噛まずに食べるのと、よく噛んで飲み込む場合だと、ご想像の通り。
よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるという研究結果もあります。
たんぱく質を多く含むものを、よく噛んで食べるとおトク、ということですね💡
食事を摂って痩せるなら、たんぱく質を多く含む主菜がメイン
いかがだったでしょうか?
人間が痩せるの働くエネルギーは、基礎代謝、生活活動代謝、食事誘発性熱産生の3つだけです。
これらの中でも最も大きな代謝力を誇る、基礎代謝を上げることが、痩せる上で最重要。
筋肉を増やさないまでも、減らさないだけの栄養素を十分に摂り、脂肪になりにくい食生活を心がければ、むしろ食事量は以前より増えることもありえます。
空腹やガマン、ツラい思いばかりして、リバウンドのリスクが上がり続ける食事制限をするよりも、これら食事について正しい知識をつけて、楽しくストレスなく、ダイエットを始めてみませんか?
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今回の記事があなたにとって、より良いライフスタイルのきっかけになれば幸いです💖