豚テッポウと呼ばれるホルモンは、とろける脂と歯ごたえ抜群の肉質が魅力です。一頭からとれる量が少なく希少価値が高い部位ですが、そのおいしさの虜になる人は少なくありません。
今回は豚のテッポウ部位について、その魅力を徹底解説してまいります!
豚テッポウとは?どこの部位?
豚テッポウとは、豚の直腸のこと。さばいた時に鉄砲のような形をしていることから、この名前がつきました。豚1頭からほんのわずかしか取れない、希少な部位としても知られています。
同じように直腸を指す「テッポウ」は、牛にも存在します。牛のテッポウも同じく希少価値が高い部位として人気です。
テッポウは、肛門に近い部分ほど肉厚で、さっぱりとした味わいが楽しめます。新鮮なテッポウは、外側の脂の色が白いのが特徴です。ぜひ、購入する際の目安にしてみてください。そして、いろいろな料理方法で、テッポウの独特の食感と味わいを楽しんでみてください。
豚テッポウの味と食感
豚テッポウは、お肉の弾力と、噛めば噛むほど溢れ出す脂の旨味が魅力です。肉厚で脂がたっぷり乗っているため、とろけるような食感を楽しむことができます。ホルモン特有の臭みを感じやすい部位ですが、丁寧な下処理を施すことで、食欲をそそる香ばしい香りに変化します。
脂の量は多いものの、脂自体がさっぱりとした味わいのため、しつこくなく、最後まで飽きずに食べられます。
同じホルモンとして人気が高い「シロ(大腸)」と比較すると、テッポウはより肉厚で脂の量も多いため、濃厚な旨味を堪能できます。クセになる歯ごたえと、あふれ出す脂の甘み、そして奥深い味わいをぜひ一度体験してみてください。
豚テッポウの別名とその由来
豚と牛、どちらも直腸の部位を「テッポウ」と呼びますが、実はそれぞれ異なる別名を持っています。
豚テッポウの場合、「あぶら」や「チューブ」といった別名で呼ばれることがあります。脂がたっぷりとのっていることから「あぶら」、筒状の形をしていることから「チューブ」と、その特徴が呼び名に反映されています。
一方、牛テッポウは「オカマ」や「ケツ」といった、少々ストレートな別名で呼ばれることが多いです。これは、テッポウ部位の位置からきていると考えられます。
このように、同じ「テッポウ」でも、豚と牛では全く異なる別名が使われています。スーパーなどの精肉店でも、これらの別名が使われているケースがあるので、覚えておくと役に立つでしょう。
豚テッポウのおいしい食べ方
豚テッポウのトロトロな食感と弾力ある歯ごたえを楽しめる、豚テッポウにおすすめな、美味しい食べ方として
- 醤油ダレで味わう豚テッポウ
- 塩ダレで味わう豚テッポウ
- 味噌で味わう豚テッポウ
これらについてご紹介します!
醤油ダレで楽しむ豚テッポウ
豚テッポウの魅力を最大限に引き出すには、醤油ベースのタレが最適です。脂の甘みに、醤油のコクと香りが加わることで、ご飯が進むこと間違いなし! さらに、ニンニクや生姜を効かせたパンチのあるタレにすれば、ビールとの相性も抜群です。
焼き加減はお好みで調整してくださいね。表面をカリッと香ばしく焼き上げれば、お酒のおつまみにもぴったり。じっくりと焼いて脂を落とせば、ご飯のお伴にも最適です。
ぜひ、お好みの焼き加減で、醤油ダレで楽しむ豚テッポウを堪能してみてください。
塩ダレで味わう豚テッポウ
豚テッポウは、コリコリとした独特の食感が魅力の部位ですが、脂が多く含まれているため、こってりとした味付けになりがちです。しかし、あっさりとした塩ダレで仕上げることで、豚テッポウの旨味をより一層楽しむことができます。
塩ダレは、ごま油やレモン汁を加えることで、さっぱりとした中にコクと風味がプラスされます。焼肉で焼いた熱々のテッポウに、爽やかな塩ダレがよく絡み、ご飯が進むこと間違いなしです。
また、野菜炒めに加えても、テッポウの脂が野菜にコクを与え、食欲をそそります。塩ダレは、豚テッポウの新しい魅力を引き出す味付けと言えるでしょう。
味噌で仕上げる豚テッポウ
豚テッポウの魅力は何と言っても、コリコリとした独特の歯ごたえと、噛むほどに溢れ出すジューシーな脂です。そんな豚テッポウを、味噌をベースにじっくりと煮込んだら、ご飯が止まらなくなること間違いなし!
豚テッポウから染み出す旨味を、味噌のコクがぎゅっと受け止め、奥深い味わいに仕上がります。味噌の塩気と脂の甘みが織りなすハーモニーは、まさに至福のひととき。ぜひ熱々のご飯と一緒に、お召し上がりください。
豚テッポウのおいしい焼き方
豚テッポウを焼く際、最も重要なのは火加減です。強火でしっかり焼き上げることで、外側はカリッと香ばしく、内側はジューシーな仕上がりになります。とはいえ、焼き始めは特に脂が多く出るため、炎が上がって焦げてしまうことがあります。こまめに火加減を調整しながら、全体をまんべんなく焼き上げることがポイントです。
目安としては、表面にこんがりとした焼き色がついたら、裏返してさらに焼き進めます。竹串などを刺してみて、中まで火が通っていれば完成です。お好みで、塩コショウやレモン汁などで味付けしても良いでしょう。
豚テッポウは、焼き加減ひとつで味わいが大きく変わる奥深い食材です。ぜひこのポイントを踏まえて、ご家庭でも最高の豚テッポウ焼きに挑戦してみてください。
豚テッポウに合うお酒
豚テッポウは、ジュワっと溢れる脂身と旨味がお酒ともぴったりです。ここでは豚テッポウに合うお酒として
- ビールとの相性
- 日本酒との相性
- ハイボールとの相性
についてご紹介します。
ビールと豚テッポウとの相性
ビールの苦味と炭酸は、こってりとした豚テッポウの脂を洗い流し、さっぱりとした後味にしてくれます。キンキンに冷えたビールの爽快感が、豚テッポウの濃厚な旨味をさらに引き立て、いくらでも食べ進められるような、最高の組み合わせを生み出します。
ジューシーな豚テッポウを頬張った後に、喉を潤す一杯のビールは、まさに至福のひとときと言えるでしょう。
日本酒と楽しむ豚テッポウ
豚テッポウ、それはコリコリとした独特の食感が魅力の部位。噛みしめるほどに溢れ出す濃厚な旨味は、日本酒との相性が抜群です。
豚テッポウの旨味を最大限に引き出すなら、芳醇な香りと深いコクが特徴の純米吟醸酒がおすすめです。純米吟醸酒の複雑な味わいは、豚テッポウの脂と見事に調和し、至福のマリアージュを生み出します。
一方、脂ののった豚テッポウをさっぱりと楽しみたい場合は、すっきりとした飲み口の本醸造酒を選びましょう。本醸造酒のキレの良さは、豚テッポウの脂を洗い流し、次の一口を誘います。
お気に入りの銘柄を見つけ、自分にとって最高のペアリングを探求するのも、豚テッポウと日本酒を楽しむ醍醐味と言えるでしょう。
ハイボールと豚テッポウの組み合わせ
豚テッポウの脂の甘みとハイボールの炭酸の組み合わせは、一度食べたらやみつきになること間違いなしです!
豚テッポウのジューシーな旨みを、ハイボールがさらに引き立ててくれます。ウイスキーの芳醇な香りは、豚テッポウの味わいをより一層深みのあるものにしてくれます。
塩でシンプルに味付けした豚テッポウはもちろん、味噌ダレやコチュジャンを使ったピリ辛な味付けにもよく合います。キンキンに冷えたハイボールと一緒に、豚テッポウの奥深い味わいをご堪能ください。
豚テッポウの捌き方
豚テッポウの持ち味を引き出し、美味しく食べるために必須の下処理について
- 外側の脂を取り除く方法
- お湯で茹でこぼす手順
- 塩をふって水で揉み洗う方法
- 香味野菜を加えて下茹でする方法
- 好みの大きさに切り分ける
これらの解説をいたします!
外側の脂を取り除く方法
豚テッポウは、外側のカリカリとした食感と内側の脂のジューシーさの両方が楽しめる魅力的な部位です。一方で、下処理が足りないと独特の臭みが気になってしまいます。この臭みの原因となるのが、表面に付着した白い脂です。
美味しい豚テッポウを味わうためには、この脂を丁寧に処理することが重要になります。具体的な方法としては、まず最初に表面の脂は全て取り除いていきます。この時、内側の脂まで取り除く必要はありません。外側の歯ごたえのある肉質と内側の脂、異なる食感のハーモニーが豚テッポウの魅力だからです。
表面の脂だけを取り除くことで、臭みが抑えられ、より一層豚テッポウ本来の旨味を堪能できます。
お湯で茹でこぼす手順
豚テッポウは下処理をせずに調理すると臭みが気になることがあります。そこで重要なのが、お湯で茹でこぼす作業です。
まず、鍋にテッポウがしっかりと浸る量の湯を沸かします。沸騰したらテッポウを入れ、強火で1~2分茹でましょう。この時、お湯の温度が下がらないように強火をキープするのがポイントです。茹で上がったらザルにあげ、流水で余分な脂やアクを丁寧に洗い流します。
このひと手間を加えることで、臭みが軽減され、より一層美味しくテッポウを味わうことができます。
塩をふって水で揉み洗う方法
湯でこぼした後の豚テッポウの粗熱がとれたら塩を大さじ2~3杯ほど振りかけ、豚テッポウ全体に馴染ませるようにしっかりと揉み込みます。その後、水を入れたボウルに入れます。
豚テッポウが白っぽくなってきたら、水を入れ替えながら揉み洗いを行いましょう。水を2~3回交換し、ぬめりが気にならなくなるまで繰り返します。
ただし、長時間水に浸けすぎると豚テッポウの旨味が流れ出てしまうため注意が必要です。5分以内に手早く済ませるように心がけましょう。
ぬめりが取れたら、最後にザルに上げて水気を切れば完了です。
香味野菜を加えて下茹でする方法
再び鍋に豚テッポウ、水を入れ、今度はネギの青い部分、生姜のスライス、お好みで長ネギの白い部分や玉ねぎなどを加えます。これらの香味野菜は、豚テッポウの臭みを消し、風味を格段に向上させてくれます。
特にネギの青い部分は、独特の香りを持ち、豚肉の臭みを中和する効果に優れています。生姜も同様の効果に加え、肉の臭みを消し、食欲を増進させる効果も期待できます。
茹で時間は、豚テッポウの大きさや厚さによって調整してください。柔らかくなったら火を止め、そのまま粗熱を取ります。
好みのサイズに切り分ける
下茹でがすんだら、好みのサイズにカットします。やや小ぶりに切るのがおすすめです。
豚テッポウのおすすめレシピ
下処理した後の豚テッポウを調理するのにおすすめのレシピ、
- 豚テッポウの炒め物レシピ
- 豚テッポウの味噌煮込みレシピ
をご紹介します!
豚テッポウの炒め物レシピ
豚テッポウは、豚の直腸の部分です。独特の食感と濃厚な旨味が特徴で、さまざまな料理に活用できます。
豚テッポウは、シンプリに塩や醤油、めんつゆなどでも美味しいですし、イタリアンや中華風など、さまざまな味付けに合わせることができます。あっさりとした味わいながらも脂がのっているので、ニンニクや味噌を使ったパンチの効いた味付けがおすすめです。
豚テッポウを炒め物にする場合、下味をしっかり揉み込むことで、噛むほどに旨味が口の中に広がります。豚テッポウ独特の食感を活かすために、強火で短時間で炒めるのがポイントです。ご飯のおかずにはもちろん、お酒のおつまみにも最適です。
豚テッポウの味噌煮込みレシピ
豚テッポウは、居酒屋や小料理屋で親しまれるもつ煮の定番食材ですが、家庭でも簡単に調理できます。豚テッポウ独特のコリコリとした食感と濃厚な旨味は、味噌との相性が抜群です。
味噌煮込みに欠かせないのが、大根やニンジンなどの根菜類です。根菜類は大きめにカットすることで、煮崩れを防ぎ、食べ応えのある一品になります。また、にんにくや生姜、ネギなどの香味野菜を加えることで、風味が格段に向上します。
まず、鍋にごま油をひき、弱火でにんにくや生姜を炒めます。香りが立ってきたら、豚テッポウを加え、表面に焼き色をつけます。豚テッポウに焼き色をつけることで、香ばしさが増し、食欲をそそります。
次に、大根、ニンジンなどの根菜類を加え、軽く炒め合わせます。具材に油が回ったら、味噌、砂糖、みりん、醤油、酒などの調味料を加え、全体をよく混ぜ合わせます。さらに、水を加え、落し蓋をして弱火でじっくりと煮込みます。
豚テッポウの味噌煮込みは、ご飯のおかずにはもちろん、お酒のおつまみにも最適です。体の芯から温まる、寒い季節にぴったりの一品です。ぜひ、ご家庭でもお試しください。
まとめ:豚テッポウの魅力
豚テッポウは、1頭からわずかしか取れない希少部位です。コリコリとした独特の歯ごたえと、噛めば噛むほどあふれ出す脂の旨味が魅力です。
あっさりとした味わいなので、脂っこいものが苦手な方にもおすすめ。豚テッポウは、焼肉として楽しむのが一般的ですが、煮込み料理に使うのもおすすめです。
じっくりと煮込むことで、豚テッポウが持つ独特の旨味が溶け出し、奥深い味わいの料理に仕上がります。焼酎や日本酒など、様々なお酒との相性も抜群です。ぜひ、お好みの方法で豚テッポウの美味しさを味わってみてください。