牛肉部位のハバキとは?焼き方や食べ方の完全ガイド

牛肉好きの皆さん、「ハバキ」という部位をご存知でしょうか。実はこの部位、知る人ぞ知る絶品肉なのです。

しかし、牛1頭から少ししかとれない希少部位でもあるため、いまいちイメージがつかないこともあるかもしれません。この記事では

  • ハバキの部位はどこ?
  • ハバキの特徴や味わい
  • ハバキの美味しい召し上がり方

などなど詳しく解説します。この記事を読めば、あなたもハバキマスターになれること間違いなしです。牛肉の新たな魅力を発見する旅に出かけましょう。

目次

ハバキとはどの部位?

ハバキは、牛の後ろ足の外ももにある希少部位です。運動量の多いモモ肉の中でも、特に運動に大きく影響する大腿骨(だいたいこつ)と頸骨(けいこつ)の関節を覆っているため、しっかりとした歯ごたえが特徴です。ソトモモ(ソトヒラ)の中でも焼肉に最適とされ、人気メニューの一つとなっています。

外ももは「シキンボウ」「ナカニク」「ハバキ」の3つの部位に分けられ、ハバキはお尻に近い部分にあります。別名「ダキチマキ」とも呼ばれ、コクのある味わいが楽しめます。筋が多い部位なので、筋張りが気になる場合は、柔らかく煮込んだ料理がおすすめです。ゼラチン質も豊富なので、カレーやシチューにしても美味しくいただけます。

ハバキの特徴と味わい

その部位の特徴として、スジが多い部位として知られるハバキですが、実際どのような味わいなのでしょうか?ここではハバキの特徴についてより踏み込んでご説明します。

ゼラチン質がたっぷり

ハバキは、牛肉の希少部位のひとつ。赤身と脂身のバランスがとれており、しっかりとした繊維と豊富なゼラチンが特徴です。見た目よりも柔らかく、噛むほどに肉の旨みが口の中に広がります。特に外モモの一部であるハバキは、焼肉に最適。

赤身の濃い旨味と、とろけるようなゼラチン質のハーモニーを楽しむことができます。焼き加減はミディアムレア程度がおすすめ。肉の旨みを存分に味わうことができます。牛肉好きなら、ぜひ一度試してみてください。やみつきになること間違いなしです。

スネ肉より柔らかい食感

ハバキの特徴だけきくと、硬そうな部位に見えますが、スネ肉よりも柔らかく感じられる、意外な一面を持つ部位です。その秘密は、ゼラチン質の豊富さにあります。ゼラチン質は、加熱することで溶け出し、肉に独特の柔らかさとジューシーさを与えてくれます。

ハバキは、赤身本来の深いコクも魅力です。スネ肉と同様に煮込み料理に最適で、じっくりと時間をかけて調理することで、肉の旨味がスープに溶け出し、奥深い味わいのビーフシチューなどが楽しめます。

調理の際には、丁寧に筋をカットすることで、より柔らかく、食べやすくなります。意外な美味しさを持つハバキを、ぜひ一度お試しください。

ハバキと他の牛肉部位の違い

ハバキは、外モモを分割することでとれる部位というお話はしました。ここではハバキ同様、外モモからとることのできる

  • ナカニク
  • シキンボ(マクラ)
  • センボンスジ

の特徴についてご説明します。ハバキとその他の外モモ部位との違いをすることで、さらにハバキの美味しさを知ることができるでしょう。

ナカニクの特徴

ナカニクは、牛の外もも肉の中でも内側に位置する部位で、牛の体重を支える役割を担っています。外もも肉全体は、肉質が固めでうまみが強いという特徴がありますが、ナカニクは他の外もも肉と比べて、柔らかく食べやすいのが特徴です。

赤身肉らしい力強い旨みを持ちながらも、A4、A5ランクの牛肉になると、適度なサシも入ってきます。そのため、柔らかくジューシーな味わいが楽しめます。赤身肉を食べたいけれど、固さが気になるという方は、ナカニクを選んでみてはいかがでしょうか。

牛一頭からわずか3kgほどしか取れない希少部位であるナカニクは、煮込み料理やローストビーフなど、様々な料理でその美味しさを堪能できます。

シキンボ(マクラ)

シキンボは牛の後ろ脚の外ももにある部位で、金の延べ棒に似た形からその名がついたと言われています。シキンボウと呼ばれることもあれば、関西ではマクラという別名も持っています。

ナカニクと同様に、よく動く筋肉のために筋繊維が太く、弾力のある硬い肉質が特徴です。赤身本来の濃厚な味わいが楽しめる部位でもあります。

この独特の食感と味わいを活かすには、薄くスライスしてさっと焼き上げるのがおすすめです。レア気味に仕上げることで、シキンボの旨みを最大限に引き出せます。

また、円柱状の形をしているため、ローストビーフにも最適です。肉の繊維が粗いことから、しっかりとした食べ応えを求める方にも最適な部位と言えるでしょう。

センボンスジの特徴

センボンスジは、牛一頭からわずか数百グラムしか取れない希少部位で、ハバキを細分化することで得られます。名前の通り、見た目はたくさんの筋が入っていて硬そうな印象を与えます。しかし、実際に焼いてみると、その筋がコリコリとした独特の食感を生み出し、多くのファンを魅了しています。

見た目とは裏腹に、噛み切りやすく、肉本来の旨味もしっかりと感じられます。ホルモンに近い感覚で楽しめるのもセンボンスジの魅力と言えるでしょう。焼肉で味わう際は、塩ダレでシンプルにいただくのがおすすめです。そのコリコリとした食感を存分に堪能できます。

ハバキのおすすめの食べ方

ハバキは、独特の歯ごたえを持つ、ゼラチン質豊富な部位です。筋肉質なため硬いと感じることもありますが、そのゼラチンを活かすことで、トロトロととろけるような食感を楽しむことができます。

ハバキを美味しく食べるには、煮込み料理がおすすめです。長時間煮込むことで、ゼラチンが溶け出し、肉の繊維がほぐれていきます。カレーやシチューなどの煮込み料理にすると、ハバキの旨味が溶け出した、奥深い味わいを楽しめるでしょう。

また、ハバキは挽肉料理にも最適です。ハンバーグやソーセージなど、他の部位と混ぜて使うことで、ジューシーでコクのある一品に仕上がります。ただし、挽肉を使う場合は、火を通し過ぎると硬くなってしまうため注意が必要です。表面をサッと焼く程度にとどめ、肉の旨味を閉じ込めるのが、美味しく食べるコツです。

シンプルにハバキの風味を味わいたい場合は、醤油や塩コショウで味付けして食べるのも良いでしょう。柔らかく煮込んだハバキは、シンプルな味付けでも十分に美味しくいただけます。

ハバキに合うお酒

ここではハバキに特に合うお酒について説明します!

ハバキと相性の良いお酒①ワイン

牛肉の中でも、濃厚な味わいが特徴のハバキは、赤ワインと相性が良い部位として知られています。特に、フルボディの赤ワインは、ハバキの力強い味わいに負けない、しっかりとした飲みごたえが魅力です。

おすすめのブドウ品種としては、

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • シラー
  • ネッビオーロ

などが挙げられます。これらの品種から作られるワインは、樽熟成によって生まれるバニラやスパイスの香りと、黒系ベリー系の果実味が特徴です。

ハバキの旨味とワインの風味が複雑に絡み合います。また、これらの赤ワインに豊富に含まれるタンニンは、ハバキの強い旨味と相まって、より複雑な風味を演出します。最後まで飽きることなく、ハバキとワインのハーモニーを堪能できるでしょう。

ハバキと相性の良いお酒②ウイスキー

ハバキと相性の良いウイスキーを選ぶなら、バーボンウイスキーが一押しです。バーボンの特有の甘みとバニラの香りが、ハバキの豊かな風味を引き立てます。

また、スモーキーさが特徴のスコッチのシングルモルトも絶妙なマッチングを見せます。特にアイラ地方のウイスキーは、ピートの香りと複雑な味わいがハバキのうまみと見事に調和します。ハバキの深い味わいとウイスキーのコクが織り成すハーモニーを、ぜひ楽しんでみてください。

ハバキと相性の良いお酒③日本酒

ハバキと日本酒のペアリングは驚くほど相性が良いです。日本酒にはグルタミン酸が含まれ、牛肉にはイノシン酸が豊富です。これらのうまみ成分が組み合わさることで、うまみの相乗効果が生まれ、味わいが一層引き立ちます。

このうまみの相乗効果は、昆布と鰹節のダシと同じ原理で、日本人の舌に非常に馴染みやすい味わいを提供します。特にハバキのような赤身肉と組み合わせる場合、深いコクとおだやかな香りが特徴の純米吟醸酒がおすすめです。このタイプの日本酒は肉の風味を引き立て、食事全体のバランスを整えます。

美味しいハバキを選ぶポイント

牛肉の部位の中でも、ハバキは希少な部位。せっかく食べるなら、美味しいものを選びたいですよね。ここでは美味しいハバキを選ぶポイントとして

  • 赤身の状態
  • 脂身の色味

の2点について、注意したい点をお伝えします。

鮮やかな赤身を選ぶ

牛肉を選ぶ際に、色で判断するのは基本中の基本です。特に、赤身が鮮やかな赤色をしているものが新鮮な証拠とされています。

しかし、牛肉の色は産地や種類、部位によって様々です。例えば、和牛は鮮やかな赤色、輸入牛やホルスタインなどの牛は濃い赤色をする傾向があります。

時間が経つにつれて、牛肉の赤身は酸化し、徐々に黒ずんできます。新鮮な牛肉を選ぶには、鮮やかな赤色を目安にするのが良いでしょう。もし、見分ける自信がない場合は、お店の人に尋ねてみるのもおすすめです。最近は、オンラインでも高品質な牛肉を購入することができます。産地や飼育方法などにこだわって選んでみてはいかがでしょうか。

脂肪は白色に近いものを

新鮮なハバキの脂肪は、ツヤのある乳白色をしています。 これは、脂肪が酸化しておらず、風味が良い状態である証拠です。スーパーなどで牛肉を選ぶ際は、赤身との境界線がぼんやりとしておらず、綺麗なグラデーションになっているものを選びましょう。

逆に、脂肪が黄色っぽく変色していたり、ドリップと呼ばれる赤い液体が出ているものは、鮮度が落ちている可能性があります。このような牛肉は、風味が損なわれているだけでなく、旨味も逃げてしまっているため、避けるのが無難です。

通販で購入する場合は、画像をよく見て判断しましょう。 牛の種類によって脂肪の色味が異なる場合があるので、事前に調べておくのもおすすめです。

まとめ

ハバキは、牛肉の中でもゼラチン質が豊富で、赤身の旨みが凝縮された独特の味わいが特徴です。トロっととろけるゼラチン質と、濃厚な赤身のハーモニーは、まさに絶品と言えるでしょう。

焼肉では、その濃厚な旨みをダイレクトに味わえますし、煮込み料理では、長時間煮込むことでゼラチン質が溶け出し、とろけるような食感を楽しむことができます。 ぜひ、色々な調理法でハバキの美味しさを堪能してみてください。

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