牛肉の部位チレ(タチギモ/タチ)とは?特徴と美味しい食べ方を紹介!

牛肉好きの方なら一度は耳にしたことがあるかもしれない「チレ」。

「チレ(タチギモ/タチ)」は「脾臓(ひぞう)」のことを指します。牛ホルモンの中でも希少部位で出回りが少ないため、あまり聞きなじみがない方も多いでしょう。今回はそんなチレの特徴や味わい、食感などを詳しくご紹介します。

目次

牛肉のチレ(タチギモ/タチ)とは?

牛肉の部位の中でも、あまり知られていない「チレ」をご存知でしょうか。ここではチレについて

  • チレ(タチギモ/タチ)の部位や特徴
  • チレ(タチギモ/タチ)の名前の由来
  • チレ(タチギモ/タチ)の希少性

について解説します。

チレ(タチギモ/タチ)ってどこ?部位や特徴

チレとは、牛の脾臓(すいぞう)のことです。焼肉店などでは、「タチ」や「タチギモ」と表記されていることもあります。形が太刀に似ていることから、このように呼ばれるようになったと言われています。

脾臓(すいぞう)は、古くなった赤血球を壊したり、血液中の鉄分を貯蔵したりする役割を持つ臓器です。そのため、チレは鉄分を豊富に含んでいます。

少し苦みのある独特な風味を持つものの、臭みはあまりなく、ホルモンの中では比較的食べやすい部位と言えるでしょう。ただし、チレを扱っているお店は多くありません。見かけた際は、ぜひ注文してみてください。

チレ(タチギモ/タチ)の名前の由来

「チレ」という呼び名は、韓国語で内臓を意味する「チラ」が由来とされています。この「チラ」は、韓国南部の釜山(プサン)など慶尚道(キョンサンド)の方言で「チレ」と発音されていました。

日本で「チレ」として広まったのは、慶尚道から伝わった調理法とともに、この方言も一緒に伝わったためと考えられています。

チレ(タチギモ/タチ)の希少性

チレ、別名タチギモやタチと呼ばれる部位は、牛、豚どちらにも存在しますが、どちらも希少部位として知られています。牛の場合、一頭からわずか1.5kg~2kgほどしか取れません。

豚のチレは、牛よりもさらに希少とされており、市場に出回ることは稀です。幻の部位と呼ばれることもあるほど、その希少性から、なかなかお目にかかれない部位と言えるでしょう。

チレ(タチギモ/タチ)の味わいと食感

チレ(タチギモ/タチ)は、レバーと同じ内臓肉でありながら、よりきめ細やかで、ねっとりとした独特の食感が特徴です。レバーに近い味わいと表現されることもありますが、チレはレバーよりも柔らかく、ふわっとした軽やかな食感も持ち合わせています。

新鮮なチレは、臭みや苦みが少なく、レバーが苦手な方でも食べやすいでしょう。ビタミンや鉄分も豊富で、栄養価の高い部位と言えます。

ただし、鮮度が落ちると独特の臭みが出てくる点は注意が必要です。チレは鮮度が命と言えるため、購入する際は新鮮なものかどうかの見極めが重要になります。スーパーマーケットで見かけることは稀ですが、鮮度にこだわる焼肉店や精肉店、オンラインショップなどで購入可能です。見かけた際は、ぜひ一度試してみてください。

なお、生で食べられるという方もいますが、生食は禁止されているので注意しましょう。

おすすめのチレ(タチギモ/タチ)の調理法

ここではチレ(タチギモ/タチ)をおいしく味わうおすすめの調理法をご紹介します。

チレ(タチギモ/タチ)のおいしい食べ方:炒め物

チレ(タチギモ/タチ)はレバーに似た部位で、「チレニラ炒め」が特におすすめです。ニラの香味がチレの独特の臭みを抑え、食べやすく仕上がります。にんにくを加えるとさらにパンチが効いて、スタミナ満点の一品になります。

調理方法は簡単です。まず、チレを一口大に切り、軽く塩を振っておきます。フライパンに油を熱し、にんにくを炒めて香りを出します。次にチレを加え、表面が軽く色づくまで炒めます。最後にニラを加え、さっと炒め合わせて完成です。醤油やオイスターソースで味を調えるとさらに美味しくなります。

また、チレはそのふわっとした食感を活かして揚げ物にも適しています。醤油やみりんで下味をつけ、片栗粉または小麦粉をまぶしてカラッと揚げると、手が止まらない美味しさの唐揚げになります。ビールのお供にもぴったりです。

チレのバリエーション豊かな調理法を楽しんで、ぜひ新しい味わいを発見してみてください。

チレ(タチギモ/タチ)のおいしい食べ方:刺し身風で楽しむ方法

チレは、鮮度が命の希少な部位です。特に刺し身風で楽しむためには、新鮮なものを選ぶことが欠かせません。鮮度が落ちやすいため、信頼できる専門の肉屋や刺身用として販売されているものを購入するのがベストです。

まず、購入したチレは冷蔵保存し、できるだけ早く食べるようにしましょう。チレは低温調理器を使って中心温度が55℃以上で10分以上加熱します。完成したらチレの生身感と柔らかさを両立した刺し身風の完成です。

なお、チレ(タチギモ/タチ)を含む牛肉のホルモンの生食は禁止されています。本当に生で食べる場合は自己責任となりますし、危険なのでやめましょう。

新鮮なチレを手に入れたら、その希少な味わいを存分に楽しんでください。

チレ(タチギモ/タチ)のおいしい食べ方:ペースト・パテ

チレ(タチギモ/タチ)は、レバーに食感が似ていることから、ペーストやパテにすると絶品です。まず、玉ねぎやセロリなどの野菜を用意し、これらを細かく刻んでおきます。次に、臭みを和らげるために、タイムやローズマリーなどのハーブ類も加えます。

これらの材料とよく加熱したチレを一緒にブレンダーにかけ、滑らかなペースト状にします。このペーストをパンやクラッカーにのせると、独特の苦みや臭みが抑えられ、くせになるお酒のおつまみにもぴったりです。特に、ワインやビールとの相性が抜群ですので、ぜひ試してみてください。

チレ(タチギモ/タチ)のおいしい食べ方:焼き

豚のチレは、そのまま焼くとふわふわとした独特の食感が楽しめますが、さらに美味しくする方法があります。それは「網油」を使うことです。網油とは、内臓周りにある網状の脂肪のことを指します。この網油をチレに巻き付けることで、ぱさつきが抑えられ、ジューシーな仕上がりになります。

具体的な調理法としては、まずチレを適当な大きさにカットし、網油で包みます。次に、串に刺して焼くと、網油が溶け出し、肉に旨味が染み込みます。これにより、外はカリッと、中はふわふわでジューシーな食感が楽しめます。

焼き肉の際には、塩やタレでシンプルに味付けするのがオススメです。特に塩は、チレの持つ自然な甘みを引き立てるので、ぜひ試してみてください

チレ(タチギモ/タチ)の栄養素

チレ(タチギモ/タチ)は、栄養価の高さも見逃せません。レバーと比較されるほど栄養豊富で、低カロリーかつ高タンパク質という、ダイエット中の方にも嬉しい食材と言えるでしょう。

特に豊富なのが、鉄分とビタミンB12です。鉄分は貧血予防に欠かせない栄養素として知られていますが、チレ(タチギモ/タチ)は、不足しがちな鉄分を手軽に摂取できる食材と言えるでしょう。また、ビタミンB12は赤血球の生成を助け、悪性貧血の予防効果も期待できます。ビタミンB12は水溶性ビタミンなので、過剰摂取の心配はほとんどありません。積極的に食事に取り入れてみましょう。

チレ(タチギモ/タチ)の購入方法

チレ(タチギモ/タチ)はスーパーなどの一般的な店舗では、なかなかお目にかかれないかもしれません。もし、チレを見つけたらラッキー!迷わず購入してみましょう。

しかし、チレを求めてお店を回るのは大変です。確実に手に入れたい場合は、インターネット通販の利用がおすすめです。新鮮なチレを販売している専門店を探してみましょう。牛や豚の内臓、ホルモンを専門に扱うお店なら、高品質なチレを扱っている可能性が高いです。通販サイトの口コミなどを参考に、信頼できるお店を選びましょう。

チレ(タチギモ/タチ)に合うお酒

チレ(タチギモ/タチ)は、濃厚な味わいと独特の食感が魅力のホルモンですが、その味わいをさらに引き立てるお酒選びも大切です。

キリッとした爽快感が魅力のビールは、脂の旨味を洗い流し、次の一口を誘います。中でも、ラガーやIPAといった苦味と香りがしっかりとしたタイプのビールとの相性が抜群です。

また、焼酎や日本酒もチレに負けじと深い味わいを持ち合わせています。焼酎はロックや水割りでスッキリと、日本酒は冷酒でキリッと楽しむのがおすすめです。特に、米の旨味が力強い純米酒は、チレの濃厚な味わいと絶妙なハーモニーを生み出します。

さらに、フルーティーなワインもチレとの意外な組み合わせを楽しむことができます。軽やかな味わいの赤ワインやロゼワインを選ぶと、チレの複雑な味わいと調和し、さっぱりといただけます。

まとめ

牛や豚のホルモンの中でも希少部位であるチレ(タチギモ/タチ)は、独特の風味と食感が特徴です。内臓の苦みが好きな人にとっては、やみつきになるおいしさです。お店や精肉店で見かけたら、ぜひ一度試してみてください。

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