ギアラは、牛の第四胃の部位であり、独特の食感と風味で知られる魅力的なホルモン部位です。その名称の由来については諸説ありますが、米軍基地で働く日本人従業員が報酬(ギャランティー)としてこの部位をもらっていたことから「ギアラ」と呼ばれるようになったという説が有力です。
表面に美しい艶と赤みがかった色合いを持つギアラは、「赤センマイ」の別名でも親しまれています。この特徴的な外観は、焼肉店などでひと目で識別できる魅力の一つとなっています。
今回はこのギアラについて、魅力やおすすめの調理法などについて紹介していきます。
ギアラとはどんな部位?
ギアラは、牛の第四胃の部位です。ここではギアラについて
- 4番目の胃としての働き
- ギアラ芯と赤センマイの違い
について解説していきます!
ギアラは牛の4番目の胃
牛の消化器系は複雑で、4つの胃を持つことで知られています。その4番目の胃がギアラと呼ばれる部位です。ギアラは真胃とも呼ばれ、人間の胃に最も近い構造を持っています。
この部位は、他の3つの胃を通過した食物を最終的に消化する役割を担っています。
牛肉としてのギアラは、独特の食感と風味が特徴で、焼肉や煮込み料理に適しています。ホルモン焼きの材料としても人気があり、コラーゲンが豊富なため、美容効果も期待できます。ただし、ギアラは牛1頭から取れる量が限られているため、希少部位として扱われることが多いのが特徴です。
ギアラの別名とその由来
ギアラは牛の第四胃を指す部位で、独特の呼び名と特徴を持つ人気の食材です。この部位には「アボミ」という別名もありますが、「ギアラ」という呼称の由来には興味深い説がいくつか存在します。
一説によると、終戦直後の日本で米軍基地に勤務していた日本人が、報酬(ギャラ)としてこの部位をもらったことから「ギアラ」と呼ばれるようになったとされています。また別の説では、第四胃が腸に似た役割を果たすことから「偽腹(ぎはら)」と呼ばれ、それが訛って「ギアラ」になったという説もあります。
ギアラの特徴的な外観も、その別名の由来となっています。内壁に大きなヒダがあり、他の3つの胃と比べて赤みがかった色合いを持つことから「赤センマイ」とも呼ばれるのです。
ギアラの特徴と味わい
ここでは牛肉の部位としてのギアラについて
- ギアラの味と食感
- ギアラのカロリーと栄養価
について解説します。
ギアラの味と食感
ギアラは、牛の第二胃袋から取れる独特の部位です。その味わいは、クセがありながらも深い旨味が特徴的。食感は、ゴム状の弾力があり、噛めば噛むほど味が広がります。
調理法によっては、柔らかくなることもあるでしょう。多くの焼肉店で人気のメニューとなっており、特に関西圏では欠かせない存在となっています。
ギアラは、タンパク質が豊富で低カロリーなため、健康志向の方にも支持されています。しかし、その独特の食感や風味が苦手な人もいるため、好み分かれる部位と言えるでしょう。初めて食べる方は、少量から試してみることをおすすめします。
ギアラのカロリーと栄養価
- カロリー:308kcal
- タンパク質:11.1g
- 脂質:30g
- 炭水化物:0g
ギアラは牛肉の中でも独特な部位です。カロリーは100g当たり約308kcalで、脂肪分が多めのホルモン肉に分類されます。三割が脂質で一価不飽和脂肪酸が豊富で、糖質含有量は極めて低く、ほぼゼロと言えます。
タンパク質が豊富で、ビタミンB12とビタミンKが特に多く含まれています。
ギアラと他のホルモンとの違い
牛には4つの胃がありそれぞれの部位で異なる味や特徴があります。ここではギアラ同様、牛の胃の部位からとれる
- 第1胃 ミノの味わいや特徴
- 第2胃 ハチノスの味わいや特徴
- 第3胃 センマイの味わいや特徴
について解説します!これらを知ることで、ギアラとその他のホルモンとの違いがわかるはずです。
第1胃 ミノの味わいや特徴
ミノは、コリコリとした独特の食感が特徴の牛の胃袋の一部です。名前の由来は、切り開いたときにみの傘のように見えることから来ています。ミノには独特の臭みがありますが、しっかりと下処理をすることで淡泊でクセのない味になります。特に肉厚な部位は「上ミノ」として提供され、脂が挟まっている部位は「ミノサンド」として楽しむことができます。コリコリとした食感の中に、ジュワッと脂が溶ける瞬間が絶品です。
ミノはもともと白い色をしており、火を通しても色は変わりません。食べ頃の見極めには、包丁で入れた切り込みがどれだけ開いたかを確認します。ミノ自体が淡泊なので、タレにも塩にもよく馴染み、多様な味付けで楽しむことができます。焼肉や刺身にして食べるのが一般的で、そのあっさりとした味わいが多くの人に愛されています。
第2胃 ハチノスの味わいや特徴
ハチノスは、しっかりと下処理を行うことで臭みが少なくなり、モニュッとした弾力のある食感が楽しめます。この独特の食感とさっぱりとした風味が相まって、他にはない味わいを生み出します。具体的な下処理としては、水洗いや茹でることが一般的です。
ハチノスは焼きすぎると硬くなるため、サッと炙る程度で食べるのが理想的です。焼肉として楽しむのはもちろん、イタリア料理のトリッパとしても有名です。炒め物の具材としても使われることが多く、さまざまな料理に応用できます。
第3胃 センマイの味わいや特徴
センマイは、牛の第三胃であり、その名前は「千枚」から由来しています。胃壁が何層にも重なり、独特な形状を持っています。センマイの特徴は、そのコリコリとした歯ごたえと少しザラっとした舌触りです。味自体はあまり強くありませんが、その食感が魅力です。
焼肉店では、センマイは焼センマイや生センマイとして提供されます。焼センマイは、短冊状にカットしたセンマイを軽く焼いて食べるもので、脂がのった部分が特に人気です。一方、生センマイやセンマイ刺は、酢味噌と和えてさっぱりと食べるのが一般的です。また、センマイの皮を取った白センマイとして提供する店もあり、異なる食感が楽しめます。
センマイは、その独特な食感と多様な調理方法で、焼肉店のメニューにおいても人気の一品です。
ギアラのおすすめの食べ方
ギアラは、その独特の食感と濃厚な味わいで多くの焼肉ファンに愛される部位です。焼肉での調理がおすすめですが、その際はじっくりと焼くことがポイントです。脂質が多い部位なので、余分な脂を落とすことで食べやすくなり、同時に歯切れも良くなります。
焼き方としては、まずは強火で表面を軽く焼き、その後中火から弱火でゆっくりと焼き上げます。この方法で調理すると、外はカリッと、中はジューシーな食感を楽しめます。味付けは、シンプルな塩味でも、タレをつけても美味しくいただけます。噛めば噛むほど旨味が広がり、やみつきになる味わいです。
ギアラは焼肉以外の調理法でも美味しく食べられます。もつ煮込みやもつ鍋などの煮込み料理に使うと、長時間の加熱でコラーゲンが溶け出し、とろけるような食感になります。また、野菜と一緒に炒め物にするのもおすすめです。コチュジャンや味噌を使った濃いめの味付けが、ギアラの旨味を引き立てます。
ただし、ギアラを美味しく調理するには、適切な下処理が欠かせません。調理前にゆでこぼすことで、表面のぬめりや不純物を取り除き、臭みを軽減できます。この工程を丁寧に行うことで、ギアラ本来の甘みとコクが増し、より美味しく仕上がります。
ギアラの下処理方法
ギアラの下処理は、調理方法や食材の状態によって異なります。新鮮な生のギアラを焼肉用に準備する場合、簡単な処理で十分です。まず、流水でぬめりをよく洗い流します。この際、手でもみ洗いすると効果的です。
次に、ギアラの外側にある白い皮に注目しましょう。この部分は加熱すると非常に硬くなるため、細かく包丁を入れておくと食べやすくなります。
一方、煮込みや炒め物に使用する場合、あるいは冷凍ギアラを使用する際は、より丁寧な下処理が必要です。臭みが気になる場合は、塩や小麦粉を全体にまんべんなくもみ込み、数回洗い流します。その後、たっぷりのお湯でゆでこぼしを行います。ゆでこぼしは、臭みがなくなるまで1〜3回程度繰り返すのが一般的です。
ギアラはどこで手に入る?
ギアラは牛一頭からわずか1kgしか取れない希少部位であるため、なかなかスーパーマーケットで見かける機会は少ないかもしれません。
もしスーパーマーケットで見かけたら、それはアメリカ産、オーストラリア産のいずれかがほとんどでしょう。
ギアラも牛肉同様、産地によって味わいが大きく異なります。例えば、アメリカ産の牛肉は穀物飼育が主流のため、脂がのっていてジューシーな味わいが特徴です。一方、オーストラリア産の牛肉は牧草飼育が主流であるため、脂身より臭みが強い場合があります。
国産牛は、飼育方法や飼料にこだわって育てられていることが多く、豊かな風味が特徴です。特に、黒毛和牛のギアラは、とろけるような食感と濃厚な旨みが凝縮されており、まさに絶品です。
希少なギアラを確実に手に入れたい場合は、通販サイトの利用がおすすめです。通販サイトでは、様々な産地のギアラを取り扱っており、品質や価格を比較しながら選ぶことができます。また、自宅まで届けてくれるので、重い荷物を運ぶ手間もかかりません。新鮮なギアラを手に入れて、焼肉や煮込み料理など、様々な料理でお楽しみください。
まとめ
牛肉の部位「ギアラ」について詳しく解説してきました。この希少部位は、独特の食感と濃厚な風味が特徴です。焼肉や煮込み料理に適しています。栄養価が高く、タンパク質やビタミンBが豊富に含まれているのも魅力的です。ただし、脂肪分も多いため、適量を心がけましょう。
ギアラは、牛1頭から約1kgしか取れない貴重な部位です。その希少性から、和牛のものは専門店や高級焼肉店でしか味わえないこともあります。牛肉を楽しむ際は、ぜひギアラにも注目してみてください。新しい食体験が待っているかもしれません。