ランプは牛肉のどこの部位?特徴や希少部位を美味しく食べるレシピも

牛肉の部位はたくさんあり、それぞれに特徴がありますが、ランプは牛の後ろ足の付け根に位置し、特に柔らかさと旨味が特徴です。希少部位として扱われるため、通常のスーパーではなかなか手に入らないこともありますが、その分特別な味わいを楽しむことができます。

この記事では、牛肉のランプをより深く理解し、美味しく味わうための方法を紹介します!

目次

ランプ肉は牛肉のどこの部位?特徴や味について

ここでは牛ランプ肉について

  • ランプの部位や特徴
  • ランプの味や食感
  • ランプの名前の由来

などについて解説します!

ランプ肉の部位や特徴

牛の腰からお尻にかけて位置する「ランプ」は、上質な赤身肉として知られています。サーロインに続く部位であり、赤身でありながらもしっとりとした柔らかさが特徴です。ランプ肉が含まれる牛モモは大きく分けて「外モモ」「内モモ」「シンタマ」「ランプ」の4つの部位に分類され、それぞれが異なる味わいを持ち合わせています。

ランプの味や食感

ランプは、牛のお尻からモモにかけて位置する部位で、赤身と脂身のバランスが良いのが特徴です。モモの一部なので赤身に分類されますが、適度にサシが入っているため、赤身肉の旨味と脂の甘味の両方が楽しめます。肉質は柔らかく、しっかりとした歯ごたえを感じられるのも魅力です。

サーロインやロースのような霜降り肉は脂っこいと感じる方や、あっさりとした赤身肉を好む方にランプは最適です。肉の旨味をしっかりと味わえ、それでいて重すぎない、バランスの取れた味わいが楽しめます。

ランプの名前の由来

ランプ肉は、英語の「rump(ランプ)」から来ています。「rump」は動物のお尻の部分、つまり臀部を意味します。そのため、ランプ肉はお尻のお肉のことを指します。

ランプ肉のカロリー・栄養素

牛モモに位置し赤身とサシのバランスが素晴らしいランプですが、そのカロリーは栄養価はどのようなものなのでしょうか?こちらで輸入牛肉と和牛のランプのカロリーなどについて解説します!

ランプ肉のカロリー・3大栄養素

100gあたりランプ(外国産)ランプ(和牛)
カロリー214kcal319kcal
タンパク質18.4g15.1g
脂質16.4g29.9g
炭水化物0.4g0.4g
参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年丨文部科学省

輸入牛肉のランプは100gあたりタンパク質18.4gと高タンパク質な食材です。また、炭水化物も0.4gと低脂質で、糖質制限中の方でも気軽に食べることができます。

一方で和牛のランプは100gあたりカロリーが319kcalと輸入の牛肉より1.5倍ほど。タンパク質量こそ15.1gと高めではありますが脂質29.9gはかなりのハイカロリーとなります。味わいとしては和牛の方が強い脂の甘味を味わえますが、日常的な食事よりも特別な日のご褒美のような感覚で食べられるとより味わいを楽しめると思います。

ランプ肉の栄養価について

ランプに含まれる中でも多いビタミン・ミネラルとしては

  • 亜鉛
  • ビタミンB郡

などが多く含まれます。

特に、ランプには亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は体内で作ることができず、ホルモンバランスの調整や免疫機能に影響するので、食品から積極的に接種したいミネラルのひとつ。

その他、ビタミンB群など健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。

ランプ肉はさらに4部位に分けられる

牛モモ肉の一部となるランプですが、さらに細分化すると4つの部位に分割することができます。ここではランプに含まれる

  • ランナカ
  • ランボソ
  • ランカブリ
  • ネクタイ

という4部位について簡単に特徴を解説します。

ランナカの部位と特徴

ランナカは、牛肉の部位である「ランプ」の大部分を占める部位です。ランプ肉は、牛のお尻から腰にかけての部分で、脂肪が少なく赤身が多いのが特徴です。ランナカもランプの特徴を受け継ぎ、赤身好きにはたまらない濃厚な味わいが楽しめます。

同じランプ肉に分類されるランボソと比較すると、ランナカは歯ごたえがしっかりとしています。よく噛みしめることで、肉の旨味が口の中にじんわりと広がります。肉本来の力強い味わいを堪能したい方には、ランナカがおすすめです。

ランボソの部位と特徴

ランボソは、ランプという部位の中でも上側にあり、サーロインから尻にかけて細長く棒状に伸びている希少な部位です。ラムシンとも呼ばれ、一頭からわずか1kg程度しか取れません。

ランプの中でも特に柔らかく、きめ細やかな肉質が特徴で、スジが少ないため、肉が硬いと感じることはほとんどありません。赤身本来の旨みを存分に味わえ、脂身が少ないため、あっさりとした味わいです。クセも少ない上品な味わいで、ヒレ肉にも匹敵するほど人気があり、「ランヒレ」という名前で販売されていることもあります。

焼肉やステーキなどの焼き料理はもちろん、たたきにしても美味しくいただけます。ランボソは単独で販売されることは少なく、ランプ肉の一部として流通していることが多いので、見つけたらぜひ味わってみてください。

ランカブリの部位と特徴

ランカブリは、牛肉の部位の中でも赤身肉として知られるランプの一部で、さらにその内側にある「ランナカ」と呼ばれる部分のさらに内側に位置しています。きめ細かい肉質で、赤身らしい濃厚な旨味が特徴です。

スジが多く含まれているため、噛み応えがあり、肉本来の味わいを楽しみたい方におすすめです。薄切りにして焼肉にしたり、細かく刻んでハンバーグやミートソースなどの料理に活用したりするのがおすすめです。

ネクタイの部位と特徴

ネクタイは、牛一頭からわずか300g~400gほどしか取れない希少部位です。その名の通り、ネクタイのような形をしているのが特徴です。ランプ肉の内側にあり、綺麗にランプ肉を形成するためには、ランカブリを外した後にネクタイを丁寧に取り外す必要があります。

赤身肉らしい濃厚な味わいと、鉄分を感じさせる風味、ランプの中ではサシが多いことからくる甘味などが特徴です。しっかりとした赤身の旨味を楽しむことができるため、一部の肉好きには人気があります。ステーキはもちろん、スライスして焼肉で味わうのもおすすめです。

ランプの他のモモ肉の部位は?

ここでは、ランプの他に牛モモ肉に位置する大まかな部位として、

  • 外モモ
  • 内モモ
  • シンタマ

について特徴を解説します!それぞれの違いを知ることで、よりランプがどのように味わいや特徴の違いがあるのかがわかると思います!

外モモの部位の特徴

外モモは、牛の後脚の外側部分に位置する筋肉質な部位です。牛の体重を支える役割を果たしているため、肉質はやや固めですが、赤身肉の風味が強く、濃厚な味わいが楽しめます。スライスして「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」にすると美味しく食べられます。外モモはソトヒラとも呼ばれ、さらに細かく分けると

内ももの部位の特徴

牛の内モモは、後ろ足の付け根の内側に位置する、一頭から約10kgも取れる大きな部位です。赤身が多いのが特徴ですが、脂質も比較的低く、ヘルシーな牛肉として人気があります。

特に和牛の内モモは、モモ肉の中では柔らかい肉質で、モモ肉を食べたいけど固さが気になるという方におすすめです。しかし、海外産の輸入牛肉の内モモは、筋肉質で固いと感じる場合もあるでしょう。

シンタマの部位の特徴

シンタマは、後脚の外側前方に位置し、非常にバラエティー豊かなモモの筋肉です。その丸い形状から「芯玉(シンタマ)」と呼ばれます。シンタマは、

  • トモサンカク
  • カメノコ
  • マルシン(シンシン)
  • マルカワ

の4つの部位に分割されます。各部位は異なる特徴を持ち、それぞれ様々な料理に適しています。

これら牛モモ肉についてさらに詳しく知りたい!というお肉好きの方はこちらの記事もぜひご覧になってみてください!

ランプ肉の美味しい食べ方

せっかくランプ肉が手に入ったら、なるべく美味しく食べたいと思います。ここではランプを食べるのに適した調理法をいくつかご紹介します!

ランプ肉の美味しい食べ方①ステーキ

牛肉の中でも赤身肉の美味しさを存分に味わえるランプ肉。その魅力を最大限に引き出すなら、ステーキがおすすめです。ランプ肉は、脂肪が少なくヘルシーながらも、噛むほどに肉の旨味が溢れ出す部位。シンプルにステーキにすることで、その味わいをダイレクトに感じることができます。

焼き加減は、薄切り肉なら1分、厚切りなら2分を目安に両面を焼き上げ、中はレアの状態に仕上げるのがポイントです。肉汁を閉じ込め、柔らかくジューシーなステーキに仕上がります。

味付けは、シンプルに塩コショウだけでも肉の旨味を十分に堪能できますが、お好みで塩だれやわさび醤油を添えても◎。肉の甘味と脂の旨味がより一層引き立ちます。ぜひ、お好みの焼き加減と味付けを見つけて、ランプ肉ステーキをご堪能ください。

ランプ肉の美味しい食べ方②焼肉

ランプは牛肉の中でも赤身肉の旨味を存分に味わえる部位。ステーキで食べるのも良いですが、焼肉にするのもおすすめです。薄切りにしたランプ肉を、熱々のロースターやホットプレートでサッと炙るように焼けば、香ばしい香りが食欲をそそります。

表面に軽く焼き色がついたら、中はレアの状態ですぐに口へ。柔らかな肉質と、噛むほどに溢れ出す肉汁、濃厚な赤身肉の旨みを堪能できます。お好みで、わさび醤油や岩塩などシンプルな味付けで素材本来の味をお楽しみください。ご飯との相性も抜群なので、ついつい食べ過ぎてしまうでしょう。

ランプ肉の美味しい食べ方③ローストビーフ

赤身肉の旨味が凝縮したランプ肉は、ローストビーフに最適です。牛肉本来の味わいが強く、脂身が少ないため、しっとりとした上品なローストビーフに仕上がります。

肉の塊全体に塩胡椒を擦り込み、フライパンで表面を焼き固めたら、低温調理がおすすめ。しっとりと柔らかく仕上がります。仕上げに、バーナーで表面を軽く炙ると、香ばしさも加わって、さらに食欲をそります。出来上がったら薄切りにして、お好みの厚さにカット。

肉汁と香ばしい香りが口の中に広がり、至福のひとときを味わえるでしょう。シンプルに塩やわさびで味わうのも良いですが、お好みのソースや付け合わせを添えても、美味しく召し上がれます。

ランプ肉と相性の良いお酒

ここではランプ肉と相性の良いお酒をご紹介します!

ランプ肉と相性の良いお酒①ビール

牛肉の中でも赤身と脂身のバランスが良いランプ肉は、ビールとのペアリングがおすすめです。ランプ肉の力強い旨みと、ビールの持つ苦みや香りは相性抜群。特に、ホップの香りが際立つIPAは、ランプ肉の脂をさっぱりと洗い流し、後味を爽やかに仕上げてくれます。

また、コクと苦みが特徴のスタウトは、香ばしく焼き上げたランプ肉や、燻製にしたランプ肉と合わせると、互いの風味を引き立て合い、より深い味わいを堪能できます。ビールのシュワシュワとした炭酸は、口の中をリフレッシュしてくれるので、ランプ肉をより一層美味しく、そして、最後まで飽きずに楽しむことができるでしょう。

ランプ肉と相性の良いお酒②赤ワイン

ランプ肉と赤ワインの組み合わせは、美食家にとって至福の組み合わせと言えるでしょう。特にボルドー産の赤ワインは、ランプ肉との相性が抜群です。ボルドーワインの特徴である豊かなタンニンは、ランプ肉の脂身を程よく中和し、後味をスッキリとさせてくれます。

メルロー種とカベルネ・ソーヴィニヨン種をブレンドしたボルドーブレンドは、ランプ肉の旨味を最大限に引き出す万能選手。ジューシーな味わいのランプ肉には、果実味豊かなポムロールやサンテミリオンといった右岸のワインがおすすめです。低温調理でじっくりと火入れしたランプ肉との組み合わせは、まさに至高のマリアージュと言えるでしょう。

一方、グリルで焼き上げたランプ肉には、力強い味わいのパオヤックやマルゴーといった左岸のワインを合わせるのがおすすめです。ワインの酸味が肉の旨味をさらに引き立て、まろやかなタンニンが長い余韻をもたらします。肉の焼き加減やソースに合わせてワインを選ぶことで、さらに奥深いマリアージュの世界を楽しむことができます。

ランプ肉と相性の良いお酒③日本酒

牛肉の中でも、赤身らしいしっかりとした風味と食感を持つランプは、日本酒との相性が抜群です。ランプの力強い旨味には、辛口の純米酒やコクのある山廃仕込みがおすすめです。

例えば、キレのある辛口純米酒は、ランプの脂の旨味を爽やかに洗い流し、次の一口を誘います。また、米の旨味をしっかりと感じられる山廃仕込みは、ランプの濃厚な味わいに負けることなく、お互いを引き立てあう完璧な組み合わせです。

特に、長期間熟成させた古酒は、ランプの深い味わいと絶妙に調和します。熟成によって生まれた複雑な香りとコクが、ランプの旨味と絡み合い、忘れられない食体験となるでしょう。ランプ肉と日本酒という組み合わせで、ワンランク上の晩酌を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ランプ肉を調理する際のポイント

ランプの切り方と下ごしらえ

ランプ肉の特徴でもある筋繊維。筋繊維は加熱しすぎると固くなり、食感を損なう原因になってしまうことも。そこで、ランプ肉を美味しく食べるには、切る方向が重要になってきます。

ランプ肉を調理する前に、まず繊維の方向を確認しましょう。そして、その繊維に対して垂直に包丁を入れるのがポイントです。繊維を断ち切るようにカットすることで、繊維の長さが短くなり、食感も柔らかくなります。

ただし、薄く切りすぎると、ランプ肉の特徴であるジューシーな肉汁が流れ出てしまう可能性があるので注意が必要です。

また、ランプが柔らかすぎて切りにくい場合は、半冷凍の状態で切るのもおすすめです。完全に凍る前に、表面が少し固い程度でカットすると、綺麗に切りやすくなります。ただし、完全に冷凍してしまうと繊維が壊れ、旨味が逃げてしまう原因にもなるので注意が必要です。

美味しいランプステーキの焼き方

ランプ肉は、部位によっては筋がしっかりとしていて、火を通しすぎると固くなってしまうことがあります。そのため、レア気味に焼き上げるのがおすすめです。

特に、繊維の強い部分は、焼き加減に注意しないと固さが目立ってしまうので、注意が必要です。ジューシーで柔らかなランプステーキを楽しむためには、焼き加減が重要と言えるでしょう。

柔らかいランプ肉にするためのコツ

ランプ肉は、赤身らしい濃厚な旨味が魅力ですが、部位によっては筋張っていて固いと感じることも。特に外国産牛は、和牛に比べて固さが気になる場合があります。そんな時は、ミートテンダライザーで下処理を施すと良いです。

ミートテンダライザーとは、肉の筋を切り込みを入れることで、繊維を断ち切り、柔らかくする調理法のこと。(ジャガードと呼ばれることもあります。)スジの固さが気になる場合はぜひ試してみてください。上質な和牛であれば、ミートテンダライザーなしでも美味しくいただけます。

ランプ肉を使ったきほんのステーキのレシピ

牛肉の旨味をシンプルに味わえるランプ肉は、ステーキに最適な部位です。きめ細やかで柔らかな肉質でありながら、ヒレ肉に比べてリーズナブルに入手できるのも嬉しい点。

赤身肉の濃厚な味わいと、あっさりとした脂のバランスが絶妙で、飽きずに食べ進められます。今回は、そんなランプ肉を使った基本のステーキレシピをご紹介します。牛脂やバターで焼き上げれば、さらにジューシーな味わいに仕上がります。ご家庭でぜひ試してみてください。

[材料](1人前)

  • 牛ランプ肉:200g
  • 塩こしょう:適量
  • オリーブオイル:大さじ1/2

作り方

  • 牛ランプは常温に戻し、焼く直前に両面に塩こしょうをふる。
  • フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、フライパンをあたためる。
  • ランプをフライパンに入れ、焼き色がついて表面に赤い肉汁が出てくるまで1分30秒〜2分ほど焼く。裏返し、焼き色がつくまで1分ほど焼く。側面も色が変わるまで焼き付けて取り出す。
  • アルミホイルを包むようにかぶせ、5〜10分ほどおいて完成

まとめ:ランプの魅力を味わおう!

牛モモ肉の中でも人気のランプ。サーロインに隣接していながら、赤身肉の旨味を存分に味わえると評判です。

ランプ肉の特徴は、なんといってもそのバランスの良さ。赤身主体でありながら、適度な霜降りも入っており、柔らかさと濃厚な味わいを両立させています。脂肪分が控えめなので、サーロインなどのこってりした部位が苦手な方にもおすすめ。

ステーキや焼肉はもちろん、ローストビーフにしても美味しく召し上がれます。ランプ肉を見かけたら、ぜひその魅力を体験してみてください。

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