牛肉を食べるとき、様々な部位の名前を目にしますが、「タテバラ」という部位をご存知でしょうか。実はこの部位、知る人ぞ知る美味しい部分なのです。
「タテバラ」は、あばら骨周辺のお肉の中でも、ひときわ美しいサシの入り方が特徴の部位。その味わいは脂がメインのジューシーさと、和牛特有の香り(和牛香といいます)を楽しめる霜降り好き必見の部位!
この記事ではタテバラについて解説していきます!
タテバラとは?
ソトバラの中でも前脚側に位置する「タテバラ」は、あばら骨周辺のお肉の中でも、ひときわ美しいサシの入り方が特徴です。
牛肉といえば、赤身の中にサシが網目状に入っているイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかしタテバラは、白い脂肪の中に赤身が点在するような見た目です。サシの割合が多いものでは、スライスした肉の6割近くを脂肪が占めるほどです。
この脂肪の豊富さは、タテバラが呼吸をするたびに動く筋肉の周辺にあることに由来します。絶えず動き続けることで脂肪が蓄えられやすく、上質なタテバラであればあるほど、とろけるような柔らかな食感と、脂本来の甘み、そして濃厚な旨味を楽しむことができます。
ただし、脂肪分が多いということは、しっかりとした加熱調理が必要になるということでもあります。強火で焼き上げることで、余分な脂を落としながら、ジュワッと溶け出す甘みたっぷりの脂と肉汁を味わうことができるでしょう。
牛肉の脂の旨味を存分に堪能したいという方には、ぜひともおすすめしたい部位です。
タテバラの食感と味わい
タテバラは、カルビの中でも特に脂が濃厚な部位として知られています。その食感は、まさに「とろける」という表現がぴったりです。口に入れた瞬間、豊富な霜降りが溶け出し、舌の上で濃厚な旨味が広がります。この独特の食感と味わいは、霜降り好きにとって至福の体験といえるでしょう。
しかし、タテバラの濃厚さはが逆に苦手という人も。脂肪分が多いため、カロリーも高くなります。あっさりとした赤身肉を好む人にとっては、少し重く感じるかもしれません。
焼肉店では、タテバラは「上カルビ」「特上カルビ」「トロカルビ」などの名称で提供されることが多いです。これは、「タテバラ」という部位名より、その味わいの特徴を表現した名称の方が分かりやすいためです。
興味深いのは、タテバラのすぐ隣に位置する「ヨコバラ」との違いです。同じカルビでも、ヨコバラはタテバラほどサシ(霜降り)が入っていません。そのため、タテバラほど濃厚ではありませんが、適度な脂と赤身のバランスが取れた味わいを楽しめます。
このような特徴から、一部の焼肉店ではタテバラを「トロカルビ」、ヨコバラを通常の「カルビ」としていることも多いです。
タテバラのおすすめの食べ方
タテバラ最大の特徴は、なんといってもその濃厚な味わいです。強い脂の旨みと、ジューシーな食感を楽しむには焼肉がおすすめ。しかし、脂が多いため、調理方法には少し注意が必要です。
タテバラを美味しく食べるには、脂をしっかり落とせる網焼きが最適です。炭火でじっくりと焼き上げることで、香ばしさが加わり、より一層美味しく仕上がります。
反対に、フライパンやホットプレートは脂が逃げにくいため、タテバラの調理に向きません。もし、ご家庭で調理する場合は、溶岩プレートがおすすめ。家庭にいながら炭焼きのような遠赤外線効果で肉に旨味をとじこめ、それでいて余分な脂を落としながら焼くことができます。
焼き加減は、ミディアム程度がおすすめです。表面をカリッと焼き上げつつも、中はジューシーに仕上げることで、タテバラの旨みを最大限に引き出すことができます。味付けは、甘辛いタレももちろん合いますが、さっぱりとした醤油やポン酢で食べるのもおすすめです。肉の旨みをダイレクトに感じることができます。
タテバラに合うお酒
タテバラはに合うお酒はどんなものがあるでしょう?脂身の多いタテバラにぴったりなのは、ずばり
- ビール
- ハイボール
がおすすめです!
タテバラに合うビールの選び方
焼肉で人気の部位、タテバラ。脂の旨味がたまらない一方で、食べているうちに重たくなってしまうことも。そこでおすすめなのが、ビールとのペアリングです。ビールの苦味と炭酸が、口の中をリフレッシュしてくれるので、最後まで飽きずに楽しむことができます。
特に、IPAやスタウトなど、コクと苦味が強いビールを選ぶと、タテバラの濃厚な味わいに負けることなく、互いの個性を引き立て合います。柑橘系の香りが爽やかなIPAは、脂の甘みをより一層引き立ててくれるでしょう。ロースト香やコーヒーのような香りが特徴のスタウトは、タテバラの香ばしさと絶妙なハーモニーを生み出します。
ぜひ、色々なビールを試して、あなたにとって最高のペアリングを見つけてみてくださいね。
タテバラに合うハイボールの選び方
ジューシーな脂身が魅力のタテバラには、炭酸が爽快なハイボールが相性抜群です。特に、しっかりとした味わいのウイスキーを選び、炭酸で割ることで、口の中がさっぱりとリフレッシュされます。
濃厚な旨味を持つタテバラですが、香りが強いウイスキーのロックと合わせると、せっかくの風味が損なわれてしまうことも。そこで、ハイボールにすることでウイスキーの香りを抑えつつ、炭酸のシュワシュワ感が脂を洗い流し、より一層タテバラの美味しさを引き立ててくれます。
タテバラをさらに楽しむために、ハイボールのウイスキーの種類を変えてみるのもおすすめです。スモーキーな風味のウイスキーを選べば、肉の旨味とスモーキーな香りが絶妙にマッチし、より深い味わいを堪能できます。
まとめ:タテバラの魅力と楽しみ方
外バラの中でも前脚側に位置する「タテバラ」は、あばら骨周りの肉のうち体の外側半分を指します。特徴は、全体に入っているサシが一本の太い線のように見えることで、焼肉店ではお馴染みの「上カルビ」や「トロカルビ」として提供されることが多い部位です。
タテバラは、脂肪が多くこってりとした味わいが魅力です。牛の呼吸に使われる筋肉が含まれているため、筋や膜がありしっかりとした食感も楽しめます。脂の甘みと濃厚な旨味を存分に味わうには、しっかりと火を通して脂を落とすのがおすすめです。タレとの相性も抜群なので、ぜひ焼肉で味わってみてください。