ガツの部位を徹底解説!コリコリ食感の魅力と美味しいレシピ

ガツは豚の胃袋の部分で、その独特なコリコリとした食感が魅力です。ガツ刺しや酢もつなど、日本の焼肉店や居酒屋ではハツやハラミなどと並ぶ人気のメニューですが、家庭でも手軽に楽しむことができます。

ガツの部位は低カロリーで高たんぱく質、さらにビタミンB群も豊富。健康志向の方にもおすすめの食材です。

この記事では、ガツの部位について詳しく解説し、その美味しさを最大限に引き出すレシピもご紹介します。ガツの魅力を存分に味わい、食卓に新たな楽しみを加えてみませんか?

目次

ガツについての基本情報

ガツの部位や名前の由来、味や食感などの基本情報をご紹介します。

ガツとは何か?

「ガツ」は、豚の胃袋を指すホルモンの一種です。英語で消化管や腸を表す「gut」の複数形「guts」が、内臓を意味することからその名がついたとされています。日本で「ガツ」と聞いて多くの人がイメージするのは、豚の胃袋です。

牛の第一胃袋も「ガツ」と呼ばれることがありますが、牛の場合「ミノ」という呼び方が一般的であるため、あまり使われません。(反対にガツを「豚ミノ」と呼ぶこともあります)

ガツの中でも、特に食道に近い部分は「ガツ芯」と呼ばれます。ガツ芯は、ガツに比べて肉厚でふっくらとしており、クセが少なく旨味があるのでホルモン初心者や苦手という人にもおすすめです。

ガツの味と食感

ガツは、コリコリとした独特の食感が魅力です。鶏の砂肝にも似た歯ごたえで、噛むほどに味わいを感じられます。

ホルモンと聞くと独特の臭みを想像する方もいるかもしれませんが、ガツはあっさりとしており、クセが少ないのが特徴です。そのため、ホルモン初心者の方にもおすすめできます。淡白な味わいのため、様々な味付けに合うのも魅力の一つと言えるでしょう。

ガツのカロリー・栄養素

ガツのカロリーやビタミン・ミネラル等栄養素について解説します。

ガツのカロリー・3大栄養素

100gあたりガツ(茹でたもの)
カロリー111kcal
タンパク質17.4g
脂質5.1g
炭水化物0g
参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

ガツの栄養価について

ガツは100gあたり111kcalと低カロリー。タンパク質は17.4gと非常に高タンパク食となっています。また低脂質な上に炭水化物(糖質)も0gでダイエット中の方にも非常におすすめです。多くの場合下処理の段階で茹でてあるので余分な脂が落ちてヘルシーなバランスに落ち着いています。また、ビタミン・ミネラルとしては

  • ビタミンB1:0.5mg
  • ビタミンB2:0.23mg
  • ナイアシン:2.9mg
  • マグネシウム:15mg
  • 亜鉛:2.4mg
  • 鉄:1.5mg

などが含まれ、中でも亜鉛は1日の目標摂取量の約1/4程度を100gで補えます。亜鉛はホルモンの合成や分泌の調整をする働き・肌や髪、爪の合成にも関わるミネラル。ガツで相当な量を補給できるのは嬉しいポイントです。

ガツのおいしい食べ方

あっさりコリコリした食感が魅力で居酒屋でも人気のガツ。中でも特に美味しい食べ方として

  • ガツ刺し
  • ガツの焼肉
  • 和え物
  • 煮物

をご紹介します。

ガツの美味しい食べ方①:ガツ刺し

ガツといえば「ガツ刺し」という方も多いのではないでしょうか。コリコリとした独特の食感が魅力のガツ刺しは、居酒屋でも定番メニューですよね。

「刺身」とついていますが、生で食べるのではなく、一度茹でたものを冷やして提供されます。新鮮なガツを丁寧に下処理し、絶妙な火加減で茹でることで、独特の食感が生まれます。

あっさりとしたガツは、さまざまな味付けで楽しむことができます。定番のわさび醤油はもちろん、ごま油と塩でシンプルに味わうのもおすすめです。また、ピリ辛ダレや、ポン酢、梅肉などの酸味を加えた味付けもガツによく合います。

ご家庭で調理する際は、下処理済みのガツを使うと手軽にガツ刺しを楽しむことができます。

ガツの美味しい食べ方②:ガツの焼肉

ガツの独特の歯ごたえと香ばしさをダイレクトに楽しむなら、焼肉もおすすめの食べ方です。シンプルな塩ダレは、ガツ本来の旨味を引き立て、さっぱりとした味わいが食欲をそそります。

ガツの濃厚な味わいを堪能したい場合は、醤油ベースのタレもおすすめです。ニンニクや生姜を加えたパンチのあるタレは、ガツとの相性が抜群です。また、味噌ダレのコクと深みは、噛めば噛むほど旨味が溢れます。

ガツの美味しい食べ方③:和え物

ガツの程よい歯ごたえを楽しみながら味わえる、和え物もおすすめです。下茹でしてポン酢と和えるだけで、さっぱりとした一品になります。ネギやミョウガといった薬味を添えれば、風味もさらにアップします。七味唐辛子のピリッとした辛さも、ガツと相性抜群。お酒のおつまみにもぴったりです。

シンプルな味付けだからこそ、ガツ本来の旨味を存分に堪能できます。

ガツの美味しい食べ方④:煮物

ガツの魅力は、コリコリ食感だけではありません。長時間煮込むことで、コラーゲン豊富なガツはほわほわと柔らかくも食感の残る仕上がりになります。

ポイントは火加減。強火で一気に火を通そうとすると、ガツが硬くなってしまういます。弱火でじっくりと、時間をかけて煮込むのが、ガツ煮込みを美味しく仕上げる最大の秘訣でしょう。

ガツのおすすめレシピ

家庭でも作りやすくて美味しいガツを使ったレシピを2品!

  • ガツ刺し
  • ガツのもつ煮

をご紹介します。

ガツのおすすめレシピ:ガツ刺し

居酒屋でも人気のガツ刺し。下処理済みのガツを購入すれば家庭でも簡単につくれます。

材料(2人前)

  • 豚ガツ (ボイル・ぶつ切り):200g
  • 長ねぎ:1/2本

下処理用

  • 長ねぎの青い部分:1本
  • 生姜:5~10g程度
  • 料理酒 :50cc

調味料

  • (A)ポン酢しょうゆ:大さじ2
  • (A)味の素:3ふり
  • (A)ごま油:小さじ2
  • (A)すりおろし生姜:小さじ1
  • (A)すりおろしニンニク:小さじ1

手順

  • 長ねぎは半分に切って斜め薄切りにします。
  • たっぷりの湯を沸かし、下処理用の料理酒、長ねぎの青い部分、生姜、豚ガツを入れ、再度沸騰させ5分程ゆでます。ガツを流水で洗い水気を切って冷まします。長ねぎの青い部分と生姜は取り除きます。
  • ガツは細切りににします。
  • ボウルに調味料の材料を全て入れ、よく混ぜ合わせます。
  • ネギとガツを入れ、よく混ぜ合わせて完成です。

ガツのコリコリした食感とネギのシャキシャキ感がたまらない、さっぱりとしたおつまみです。調理魅了はシンプルな塩だれにしたり、ごま油の代わりにオリーブオイルなどにしてもまた違った香りが楽しめてお酒のつまみに最高です!

ガツのおすすめレシピ:ガツのもつ煮

コリコリ食感が特徴のガツですが、煮込みで柔らかく仕立て上げても食感が程よく残ってとても美味しいんです!以下でレシピをご紹介しますね。鍋なので大量につくれば翌日に味がよく染みてさらに美味しく。高タンパクな作り置きにもぴったりです。

材料(5~6食分)

  • 豚もつ:500g
  • こんにゃく:1枚(下茹で不要なものがおすすめです)
  • ダイコン:1/4本
  • ごぼう:1/2本
  • 人参:1本
  • にんにく:1個
  • 生姜:1個
  • 刻みネギ:適量

調味料

  • 水:1リットル
  • (A)酒:150cc
  • (A)みりん:100cc
  • (A)味噌:150g
  • (A)ほんだし:大さじ1杯

手順

  • 鍋にガツとたっぷりの水を入れ、沸騰させます。沸騰したまま1分ほど置いたら湯を切り、表面の汚れを流水で洗い流し、よく水切りします。
  • 大根・にんじんは1cm程のいちょう切りに。ごぼうは洗って、乱切りにします。
  • こんにゃくをスプーンで一口サイズにちぎっておきます。
  • にんにく1個は皮をむき、しょうがを千切りにします。
  • 鍋に水と、①~④までの材料を全て入れ中火で火にかけます。
  • 沸騰してきたら弱火におとし、調味料の(A)を全て入れます。
  • 1時間ほどじっくり煮込んで完成です。盛り付けてお好みで刻みネギをのせます。

コリコリ食感が特徴のガツですが、旨味もたっぷり含んでいるのでモツ煮で柔らかく仕上げても絶品。味噌は八丁味噌や豆味噌など煮込むことで風味がアップするものを使用すると、さらに深い味わいが楽しめます。

ガツに合うお酒

さっぱりコリコリとした食感や、煮込んでももちっと美味しく楽しめるガツは居酒屋でも人気。そんなガツに合うお酒をご紹介します。

ガツに合うお酒①:ビール

焼肉や焼き鳥の定番ドリンクであるビールは、居酒屋の定番メニューであるガツにも最適です。

ガツ刺しのようなポン酢や梅肉でさっぱりといただく食べ方には、フルーティーな香りのエールビールや白ビールがよく合います。柑橘系の爽やかな香りは、口の中をリフレッシュさせてくれます。

一方、味噌やニンニクを使った濃い味付けのガツ炒めには、コクと苦味が特徴のIPAがよく合います。ガツの濃厚な味わいと、IPAの力強い苦味が調和し、お互いを引き立て合います。

ガツに合うお酒①:焼酎

ガツの濃い味付け、特に濃厚なタレやこっくりとしたどて煮には、芋焼酎の芳醇な香りがぴったりです。一方、コッテリとした味付けのガツには、キレのある香りの麦焼酎がおすすめです。

また、ガツといえば酢もつという方も多いと思いますが、こちらは麦がおすすめ。麦焼酎の香ばしさが酢もつの味わいを引き立て、より一層爽やかに楽しめます。

飲みやすい水割りをガツをつまみながらぐびぐびと味わうのも良いですし、ロックや濃いめに作ったお湯割りでじっくりとガツの旨みと焼酎の芳醇な香りを楽しむのも良いでしょう。

ガツに合うお酒①:日本酒

ガツと日本酒の組み合わせを楽しむなら、料理の味付けに応じた選び方がポイントです。濃いめのタレやどて煮には、米の旨味がしっかりと感じられる純米酒が最適です。一方、塩ダレや出汁、ポン酢などのあっさりとした味付けには、フルーティーで香り高い吟醸系の日本酒がよく合います。

冷ややロックで楽しむ日本酒は、ガツの淡白な味わいを引き立て、爽やかな香りが口の中に広がります。特に吟醸系の日本酒は、冷やすことでその香りと風味が一層際立ちます。

ガツ自体が淡白な味わいのため、日本酒の持つ米の旨味や香りが絶妙に調和します。

ガツに合うお酒①:ワイン

ガツ刺しには、ガツの淡白な旨味を邪魔しない、軽めの赤ワインを選びましょう。具体的には、ボジョレーやピノ・ノワールのような、フルーティーで渋みが少ないものがおすすめです。ガツの味わいとワインのフルーティーな香りが、口の中で見事に調和します。

ガツ煮込みには、コク深い味わいの赤ワインが最適です。ミディアムボディのメルローや、少し渋みのあるシラーなどが、煮込みの濃厚な旨味とよく合います。

さっぱりとポン酢で食べるガツには、キリッとした辛口の白ワインがおすすめです。ソーヴィニヨン・ブランや、イタリアのヴェルデッキオなどが、ポン酢の酸味とガツの旨味を爽やかに引き立てます。

ガツの下処理と捌き方

ガツは下処理済みの状態で販売されていることがほとんどだと思いますが、下処理から自分で行いたい!という方もいるかもしれませんね。そんなこだわり派の方のために、ガツの下処理を順を追って説明します。

①塩でもみ洗い

ガツの下処理の最初はぬめり取りです。ぬめりがあると臭みが残ってしまい美味しいガツにはなりません。そこで行うのが「塩もみ洗い」です。

まず、ガツをボウルに入れたザルへ移し、流水でしっかり洗い流します。この時、ザルにぬめりをこすりつけるように、少し力を入れて洗うのがポイントです。洗濯物を洗うようなイメージでゴシゴシ洗いましょう。最初のうちは水がかなり濁りますが、めげずに数回水を変えながら洗い流してください。

水が透明に近づいてきたら、塩の登場です。1kgのガツに対して大さじ2杯程度の塩を振りかけ、再びしっかりと揉み洗いしていきます。塩の持つ浸透圧効果で、ガツの奥に潜む汚れや臭み成分を効果的に除去できるのです。

塩もみ洗い後は、塩味が残らないよう、流水で丁寧にゆすぎ、洗い流します。洗い終えたガツは、水気を切ってから次の工程に進みましょう。

②たっぷりのお湯でボイル

下処理を終えたガツは、たっぷりのお湯でボイルしていきましょう。まず大きめの鍋にガツが浸るくらいの水を入れて沸騰させ、ガツを入れて約15分下茹でします。下茹ですることで、ガツの臭みが和らぎます。

下茹でが終わったら、一度お湯を捨て、新たに鍋に水をたっぷり入れましょう。ガツが完全に浸るくらいの水位が目安です。沸騰したら、ネギの青い部分と生姜を加え、再びガツを投入します。ネギと生姜は臭み消しとして役立ちます。

弱火でじっくり、約60分かけて煮込みます。煮込んでいる間も、お湯の量は減っていくので、適宜水を足しながら、ガツが常に水に浸かっている状態を保ちましょう。より硬くしたい場合はより長時間、柔らかくしたければ短時間で調整して大丈夫です。

茹で上がったらザルにあげて軽く冷水をかけて粗熱をとります。この時完全に冷え切らないようにしてください。手でさわれるくらいの熱さがベストです。

③余分な脂を取り除く

温度が高い状態のまま、脂を指で取り除きましょう。まだ温かいうちだと、脂が溶けていて取り除きやすくなります。

ガツは脂が少ない部位なので、比較的簡単に作業できるはずです。このひと手間で、よりヘルシーでさっぱりとした味わいになります。

仕上がったら、流水でしっかりと冷まし、水気を切って冷蔵庫で1時間ほど冷やして締めてあげて下処理は完了です。冷蔵庫で締めることで、調理の際にカットがしやすくなります。

④調理法にあわせてカットする

ガツの調理法にあわせて食べやすいサイズにカットします。ガツ刺にする場合は、薄くカットすることで、コリコリした歯ごたえを楽しみつつも食べやすく仕上がります。個人的には1mm~2mm程度の薄さが好みです。

一方、ガツ焼きにする場合は、豪快にかぶりつけるよう、一口大にカットするのがおすすめです。焼き面の香ばしさと、中の弾力を同時に味わうことができます。

また、炒め物に使う場合は、短冊切りにすることで、他の食材とよく絡み、食べ応えもアップします。短冊の幅は、お好みで調整しましょう。

食感が楽しいガツはタンパク質が豊富でさっぱりした味が魅力

ガツは、豚の胃の部位で、その独特な「食感」が多くの人に愛されています。特に焼肉店では人気のメニューの一つです。

ガツは「タンパク質」が豊富で、栄養価が高いのも魅力です。さらに、脂肪分が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。そのため、カロリーを気にする方や健康志向の人にもおすすめです。

ガツの調理法としては、ガツ刺しやもつ煮がおすすめで、どちらも食材の持つ風味を引き立てます。また、ガツは他の部位と比べても価格が手頃で、家庭料理にも取り入れやすいのが利点です。ガツを使った料理を通じて、その魅力をぜひ堪能してみてください。

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