焼肉店で見かけることも多い「フランク(ササミ/ササバラ)」。牛一頭からわずかしか取れない希少部位としても知られており、牛肉らしい赤身とサシのバランスの良さから人気を集めています。
ですが「鶏肉のササミとは違うの?」「牛肉のどの部分なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フランク(ササミ)が牛肉のどの部位なのか、その特徴や他の部位との違い、さらにおいしいフランク(ササミ)の選び方まで詳しく解説していきます。
これを読めば、あなたもフランク(ササミ)の奥深い魅力に気づくはず。ぜひ最後まで読んで、美味しいフランクを見分ける目を養いましょう。
牛肉のフランク(ササミ/ササバラ)部位とは?
フランク(ササミ/ササバラ)の部位について
牛肉の主要な部位であるバラ肉。その中でもお腹に近いあばら肉の一部であるフランクは、日本ではあまり馴染みがありません。バラ肉の大部分はひき肉や煮込み料理に使われますが、焼肉として楽しまれるのはハラミ、サガリ、カイノミといった部位です。
フランクも焼肉に適した部位なのですが、一頭から取れる量がごくわずかであるため、一般的に市販されることは稀です。そのため、フランクを取り扱っている飲食店も限られています。
しかし、海外では家庭料理の食材としてフランクが食卓に上ることも多く、日本でも輸入食品店やコストコなどでブロック肉として販売されていることがあります。
フランクは「ササミ」や「上カルビ」といった別名を持ち、「ササミ」という呼び名は、その見た目が笹の葉に似ていることに由来しています。焼肉店では「並カルビ」として、他のバラ肉と一緒に提供されることもあります。
フランク(ササミ/ササバラ)の特徴
フランクは、牛肉のバラ肉の中でも、脂身が少なく赤身と脂身のバランスが良い希少部位です。きめが細かく引き締まった肉質で、赤身肉の旨味もしっかりと感じられます。サシが入っている見た目ですが、しつこくなく、あっさりとした後味なので、脂っこい肉が苦手な方にもおすすめです。
フランクの特徴は、お肉をカットした際に現れる、笹の葉のように細かく入ったサシにあります。この美しいサシ模様から、「笹肉」や「笹カルビ」と呼ばれることもあります。
フランクは、その希少性から、牛を一頭買いしているような高級焼肉店やステーキ専門店などで提供されることが多いです。お店によっては「上カルビ」として提供している場合もあります。
フランクは火を通しすぎると硬くなってしまうため、レア気味に焼き上げるのがおすすめです。肉本来の旨味と、とろけるような脂の甘みを堪能できます。
牛フランク(ササミ/ササバラ)のカロリーと栄養素
- カロリー:192kcal
- タンパク質:27.7g
- 脂質:8.23g
- 炭水化物:1.09g
フランクは牛肉の「部位」の一つで、特に脂肪が少なく高タンパクな特徴があります。100gあたりのカロリーは約192kcalで、他の部位に比べて比較的低カロリーです。
栄養素としては、タンパク質が豊富で、ビタミンB群や鉄分、亜鉛も多く含まれています。これにより、筋肉の維持や疲労回復に役立つと言われています。また、フランクは調理方法によってカロリーが変わるため、焼き方や調味料の選び方にも注意が必要です。特にダイエットや健康管理を意識する方には、フランクを使った料理が適しています。
フランク(ササミ/ササバラ)の味と食感
フランクは牛肉の部位の中でもサシが控え目で赤身のあっさりした味わいが楽しめます。ここではフランクについて
- その味わい
- 肉の食感
について解説します!
フランク(ササミ/ササバラ)の味わい
フランクは、牛肉のバラ肉の中でもサシが控えめで、あっさりとした味わいが特徴です。バラ肉特有の脂の甘みと、赤身肉の柔らかな食感を楽しめる、両方の良いとこどりが魅力と言えるでしょう。
口にした瞬間、脂の甘みと肉の旨みが広がりますが、脂っこさは感じません。これは、サシが控えめながらも、繊細なサシが赤身肉に細かく入っているためです。牛肉特有の臭みも少ないため、老若男女問わず食べやすい部位として人気を集めています。
フランク(ササミ/ササバラ)の食感
フランクの別名であるササミ、ササミと聞くと鶏肉ではパサパサとしたイメージがありますが、牛肉のササミは全く違います。サシは控えめながらも、牛肉らしい旨みをしっかりと感じることができる、柔らかな食感を楽しめる部位です。
厚切りでもジューシーに食べられるくらい、噛みごたえと柔らかさを両立しています。脂っこくなく、さっぱりと食べられるので、こってりした部位が苦手な方にもおすすめです。
フランク(ササミ/ササバラ)と他の牛肉部位との違い
フランク(ササミ/ササバラ)は焼肉で食べることが多いですが、他の部位との違いはどのようにあるのでしょうか?ここでは
- カイノミ
- トモサンカク
- ロース
など焼肉で人気の部位との比較をしてみました。
カイノミとフランク(ササミ / ササバラ)の違い
カイノミは焼肉屋でも希少部位として知られる牛肉です。牛肉好きなら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。フランクはカイノミと隣接した部位のため、かなり似ています。どちらも牛のバラ肉の一部で、肉質や味わいが似ているため、専門家でも見分けるのは難しいほどです。
では、この2つの部位には一体どんな違いがあるのでしょうか?
最大の違いは、食感にあります。カイノミは、ヒレ(フィレ)に近いことから、きめ細かく柔らかい肉質が特徴です。一方、フランクはカイノミと比べて、わずかに歯ごたえを感じます。
また、サシの入り具合にも違いが見られます。フランクの方が、カイノミよりもややサシが多い傾向にあります。価格帯はどちらもほぼ同じくらいです。焼肉店などで見かける機会があれば、食べ比べてみて下さい。その微妙な違いを感じ取ることができれば、あなたも立派な肉通と言えるでしょう。
トモサンカク
牛の後ろ脚付け根にある「シンタマ」と呼ばれる部位は4つの部位に分けられますが、その中の1つが「トモサンカク」です。美しいサシが入りながらも、見た目とは裏腹にあっさりとした後味が特徴です。もも肉ならではの赤身の旨味も感じられ、脂っぽすぎるのはちょっと…という方にもおすすめですよ。
トモサンカクは、厚切りにカットすればレアで、薄切りならさっと炙るのが美味しく食べるポイントです。焼肉はもちろん、ステーキやローストビーフにしても美味しくいただけます。
ロース
ロースは、牛の肩から腰にかけて広がる部位を指し、その味わいは部位によって大きく異なります。
肩ロースは、牛肉の中でも大きな部位として知られ、赤身と脂身のバランスがとれているのが特徴です。程よい食感と、濃厚な肉の旨味と脂の甘みを同時に堪能できます。薄切りにすれば焼肉にも最適です。
リブロースは、美しい霜降りが特徴で、きめ細かいサシが網目状に入っています。加熱すると、その脂が溶け出し、口の中にじゅわっと広がる肉汁と、上品な脂の甘みが味わえます。濃厚な旨味を持つリブロースは、しゃぶしゃぶやすき焼きにもおすすめです。
サーロインは、「牛肉の王様」と称されるほど人気が高く、脂肪と赤身のバランスが絶妙です。ジューシーな脂の旨みと、上品な風味が特徴で、まさに牛肉の美味しさを凝縮した部位と言えるでしょう。ステーキとして味わえば、サーロインの魅力を最大限に感じられます。ぜひ一度、その味わいを体験してみてください。
フランク(ササミ/ササバラ)のおすすめの食べ方
フランクは焼肉やステーキで食べるのがおすすめです。バラ肉の中では比較的あっさりとしていて、噛み切りやすく、柔らかいので、たくさん食べてもくどくならないのが魅力です。
焼肉のタレとの相性も抜群ですが、さっぱりと塩で食べるのもおすすめです。肉の旨味をダイレクトに感じられます。スーパーではあまり見かけない希少部位なので、見つけたらぜひ試してみてください。通販サイトで購入するのも良いでしょう。
フランク(ササミ/ササバラ)の美味しい焼き方
フランクをステーキや焼肉で楽しむなら、ミディアムレアの焼き加減がおすすめです。表面にジュワッと脂が浮き上がってきたら、裏返して10秒ほど待つのがポイントです。あっという間に、香ばしくジューシーなフランクが焼き上がります。
シンプルな塩で素材本来の旨味を味わうのも良いですが、わさび醬油やにんにく醬油もおすすめです。ご飯との相性はもちろん、ビールのお供にもぴったりで、ついつい食べ過ぎ飲み過ぎちゃいそうですね。
フランク(ササミ/ササバラ)を使ったおすすめレシピ
フランクのステーキ
手に入りにくいフランクが手に入ったら、ぜひステーキにしましょう。希少部位のフランクをステーキでいただくなら、肉の旨味と脂の甘みを堪能できるレアまたはミディアムレアの焼き加減がおすすめです。
下味をつけたフランクを、フライパンでそのまま焼くか、低温調理でじっくりと火を通すかは、お好みで選んでください。 フランクはブロックで販売されていることもありますが、塊のまま焼く場合は、焼き加減が難しいので、低温調理がおすすめです。 均一な火入れが得意な低温調理なら、 フランクを理想的な焼き加減に仕上げることができます。
低温調理で熱を入れたら、熱したフライパンで強火で表面に焼色をつけます。すでに内部までじっくり火が通っているので、焼色がついたらすぐに火からおろします。焼き上げた後はアルミホイルで包み、5分ほど休ませると肉汁が落ち着き、ジューシーな仕上がりになります。お好みでガーリックバターやハーブを添えると、さらに風味が増します。
フランクのたたき
牛フランクは、牛肉の中でも赤身らしい味わいが特徴の希少部位です。ステーキや焼肉など、シンプルに味わうのが一般的ですが、今回はひと手間加えた「牛フランクのたたき」をご紹介します。
作り方はいたって簡単。カツオのたたきと同様、表面を強火でさっと炙り、香ばしい焦げ目をつけたらすぐに氷水で冷やします。こうすることで、表面は香ばしく、中はミディアムレアのしっとりとした食感に仕上がります。
冷やしたフランクは薄切りにし、お好みの厚さにカット。わさび醤油やポン酢など、さっぱりとしたタレとの相性が抜群です。お好みでニンニクやネギなどの薬味を添えても美味しくいただけます。
牛フランク本来の旨みをダイレクトに味わえる「フランクのたたき」。ぜひ一度お試しください。※ただし、牛肉の生食には一定のリスクもあることをご承知ください。
また、以下にフランクのたたきに合う、ソースの作り方をご紹介します。
たたき用和風ソース
フライパンにすりおろした玉ねぎとニンニクを入れ、弱火でじっくりと炒めます。玉ねぎが透明になってきたら、醤油、酒、みりんを1:1:1の割合で加え、さらに煮詰めていきます。煮詰める際は、焦げ付かないように注意しながら、とろみがつくまで加熱しましょう。 火を止めて粗熱を取れば、風味豊かな和風ソースの完成です。お好みで、ピリッとした辛みがアクセントになるわさびを添えても美味しいですよ。
塩
肉の旨味をダイレクトに感じたい方は、ぜひ最初のひと切れは塩でどうぞ。シンプルながらも、素材本来の美味しさを再認識できる食べ方です。
わさび醤油
定番のわさび醤油も、たたきによく合います。わさびのツンとした辛味が、牛肉の脂と絶妙にマッチし、さっぱりと食べられます。
バルサミコソース
ちょっとおしゃれに楽しみたい時は、バルサミコソースがおすすめです。バルサミコ酢と赤ワインの芳醇な香りは、牛肉の味わいをさらに引き立てます。作り方は簡単で、バルサミコ酢、赤ワイン、はちみつもしくは砂糖、醤油をフライパンに入れて煮詰めるだけ。お好みで、煮詰める際にローリエやタイムなどのハーブを加えても風味がアップします。
美味しいフランク(ササミ/ササバラ)の選び方
せっかくフランクを食べるなら、なるべく美味しいものを選びたいですよね。ここでは美味しい牛フランクを選ぶために見るべきポイントとして
- 脂肪の色
- ドリップ
について解説します。
脂肪の色を確認する
牛フランクを選ぶ際、新鮮さを判断する上で脂肪の色は重要なポイントです。
新鮮な牛フランクの脂肪は、一般的に乳白色をしています。これは、牛が食べた牧草に含まれるカロテンが、脂肪に沈着することで現れる自然な色です。
一方、時間が経つにつれて脂肪は酸化し、黄色っぽく変色していきます。これは、脂肪が空気に触れることで起こる現象で、品質が低下しているサインとされています。フランクを選ぶ際はなるべく脂身の透き通るような白さのものを選び、黄色がかったものは避けるようにしましょう。
ドリップの量を確認する
スーパーマーケットでパック詰めにされた牛肉を選ぶ際、中には赤い液体が溜まっているものを見かけることがありますね。これは「ドリップ」と呼ばれるもので、決して腐敗したものではありません。ドリップの正体は、牛肉内部の水分とタンパク質が混ざり合ったものです。
しかし、ドリップが多い牛肉は、旨味成分であるアミノ酸などが流れ出てしまっている可能性があります。これは、解凍方法や保管状態に問題がある場合も考えられます。
新鮮な牛フランクを選ぶには、ドリップの量が少ないものを選ぶようにしましょう。ドリップが少ない方が、牛肉本来の旨味を味わうことができます。また、パックの下にドリップが溜まっていないか、しっかりと確認することも大切です。
フランク(ササミ/ササバラ)が購入できる店はどこ?
希少部位である牛フランクを手に入れるには、いくつかの選択肢があります。その一つが通販です。多くの専門店がインターネットを通じて販売しており、全国どこからでも注文が可能です。特に黒毛和牛のフランクはおすすめで、日本国内で厳しい基準をクリアした高品質な肉となっています。
また、牛の産地や飼料によって風味や食感が異なるため、購入前に確認することも重要です。
さらに、実店舗でも購入可能な場合があります。高級スーパーや精肉専門店では、希少な部位を扱っていることが多いです。定期的に入荷されることがあるため、事前に問い合わせてみると良いでしょう。コストコなどの輸入品販売店でも取り扱っていることが多いです。
牛フランクを試してみたい方は、これらの方法を活用して、ぜひその美味しさを堪能してみてください。
まとめ
牛フランクは、牛一頭からわずかしか取れない希少部位。そのため、高級焼肉店やステーキ専門店以外では、なかなかお目にかかれません。スーパーで見かけることはほぼないでしょう。もし、フランクを食べてみたいと思ったら、コストコなどの海外食品を扱うお店を探してみてください。
牛肉は、調理すると独特の香りがすることがありますよね。そのため、自宅で調理するのをためらう方もいるかもしれません。しかし、フランクは焼いても牛肉特有の香りが少なく、脂っぽくもないので、とても食べやすい部位です。赤身と脂身のバランスが良く、牛肉本来の旨味を存分に味わえると人気があります。
牛肉好きはもちろん、普段牛肉をあまり食べないという方にも、ぜひ一度は味わっていただきたい部位です。
フランクを含むトモバラの人気10部位についての解説もしていますので、ゲタやカルビが好きな人はこちらの記事もぜひ参考にしてみてください!