桜の季節がやってきて、ランナーの方にとっては、気持ち良く走れる良い季節がやってきましたよね。
僕はわんこ好きなので、わんこと河川敷など桜のある道を走ったりすると想像すると、それだけでなごやかな気持ちになります😊
さて、それはさておきHMBを検討している方の中には、HMBってランニングダイエットでも役に立つのかな?と考えている方もいらっしゃると思います。
なんでもかんでも運動するならHMB!みたいな言い方の記事も多いので、もはや体の万能薬なのでは?というくらいに思ってしまう方もいそうです。。
結論から申し上げますと、今回は「ランニングダイエットならHMBは要らないんじゃないかな?」というお話です。
理由は、HMBに期待する効果とランニングダイエットに期待できる効果が、あまり噛み合ってないから。
HMBの効果やランニングダイエットの効果、そして、ランニングダイエットの目的である、脂肪燃焼について、より効果的な方法をご提案できればと思います。
HMBとその効果について解説
まずは簡単にHMBについて解説します。
HMBとは?
HMBとは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)のうち、ロイシンが代謝された際に産生される栄養素の1種です。
つまり、ロイシンを摂取することでHMBは体内でつくることができるのですが、その量が非常に少ないのが特徴。ロイシンからおよそ5%程の量しかつくられず、効果的な1日の摂取目安量3gを食品から摂ることはほとんど不可能なくらい、希少なものです。
ロイシンから代謝する他、アルファルファやナマズ、アボカドといった食品にも一部含まれるものがありますが、いずれも数マイクログラム程度であり、HMBの摂取を目的とした栄養補給をするのであれば、食事よりもサプリメントから摂取することが効率的です。
HMBに期待できる効果3つ
食品からほとんど摂ることができないHMBですが、その効果は大きく分けて以下の3つです。
- 筋肉の合成促進
- 筋肉の分解抑制
- 筋肉の回復促進
筋肉の合成を促すこと、分解をおさえて、回復をうながすこと、がHMBの主な役割です。
これらの効果を検証する研究は、国内外多くの研究機関で実証されていますが、いずれもレジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)によるものがほとんど。
有酸素運動での研究もあるにはありますが、いずれもそう大きなものではなく、どちらかというと筋トレのような無酸素運動でのトレーニングにおいて高い効果が期待できる成分です。
なお、HMB自体は筋肉になることはなく、あくまで筋肉の合成を指示する、筋肉の分解が起こらないように指示する、といった、司令塔のような役割のため、HMBだけを摂ったからといって顕著に筋肉が増えるということはありません。
HMBの3つの効果に関する詳細なエビデンスデータについては、以下の記事も参考にしてみて下さい。
ランニングダイエットに期待する効果は脂肪燃焼
一方、ランニングダイエットに多くの方が期待するのは「ダイエット」の名の通り、脂肪燃焼です。
体脂肪を落とす・体重を落とす減量のためにランニングを行いたいというのが一般的だと思います。
ランニングをはじめとする有酸素運動で体重が落ちていくメカニズムは、運動によってエネルギーが必要になった時、蓄えた脂肪を燃料とするために分解して脂肪酸へと変換し、それをたいまつのように燃焼することで体脂肪が落ちていきます。
もちろん体を動かすのに筋肉は使うので、HMBに全く効果がない、とも言えないのですが、どちらかというと、脂肪燃焼を直接助けるような栄養素を補給した方が効率的でしょう。
HMBがランニングダイエットに合わない理由
HMBがランニングダイエットに向かないというかあまり最適でない理由は、HMB摂取とランニングダイエットの主目的が噛み合わないためです。
・HMB摂取の目的は、主に筋肉をつけること。
筋肉の合成や分解抑制のための指示をして、よりスピーディに筋肉をつけたり、トレーニング後のダメージから速やかに立ち直るのに効果的。
・ランニングダイエットの目的は、脂肪を燃焼すること。
ランニングでも、もちろん筋肉は使うけれど、筋肉というより脂肪燃焼を主な目的としているため、より脂肪燃焼を助ける栄養素の摂取が重要。
このように、HMB摂取の目的と、ランニングダイエットの主な目的は、あまりガッチリ噛み合っていないため、ランニングダイエットにHMBはあまり必要とは言えません。
もちろん、有酸素運動中に脂肪を分解してできるエネルギー源「脂肪酸」も、足りなくなってくると筋肉を分解してタンパク質をエネルギーに変えることもあるので、HMBで筋肉の分解を防げる、といった側面もあります。
ですがエネルギー源となるものがちゃんと供給できてれいば、それだけで筋肉の分解は最小限に留めることができます。
一方で、HMBだけを摂取していても、HMBにできるのは「分解を抑制する指示」だけなので、分解させないために代わりとなるエネルギーがなければ、結局は筋肉を分解してエネルギーにする他なく、うまくいきません。
つまり極端な話、HMBだけ摂っても、必要な栄養素が不足したままで何も防げないので普通に筋肉は分解され、HMBだけ無駄に消費するような構図ができあがってしまいます。
ですので、有酸素運動をする上でHMB以上に必要なのは、有酸素運動の際に必要なエネルギー源を補給する栄養素です。
ランニングダイエットならBCAAがよりおすすめ
ランニングダイエットに最適な、脂肪燃焼を助け、エネルギー源にもなるのがBCAAです。
BCAAは、必須アミノ酸の中でも分岐鎖アミノ酸と呼ばれるロイシン・イソロイシン・バリンの3種類のこと。
これらアミノ酸は、運動中に速やかにエネルギーとして利用することができます。有酸素運動の前に補給して血中濃度を高めておくことで、エネルギー不足による筋肉の分解を防ぐことができるのです。
さらに、BCAAはそれ自体がエネルギーになるばかりか、脂肪の分解にもプラスに働くため、効率的なエネルギー源として脂肪を燃焼させやすくなります。
BCAAには、
- 筋肉の分解を防ぐ
- 脂肪の分解を助ける
という効果の他、疲労感の軽減や、筋肉痛も軽減できることがわかっています。
グラフ画像引用元:BCAAは運動後の筋肉痛や疲労感に効果があるの?|大塚製薬
上のグラフは、陸上競技部の合宿中に、長距離選手の男女12名を対象に実施されたBCAAの評価テスト結果です。
3日間の集中トレーニング中、毎日BCAAを飲むグループと、そうでない飲料を2500ml飲んでもらい、3日間の合宿での全身の筋肉痛と疲労感を自己評価してもらったというテスト内容で、BCAA飲料の方には、2500ml中、BCAAが20,000mg配合されていたものです。
毎日、BCAAを20,000mg配合した飲料を摂取したグループと、BCAAを摂取しないグループでの検証といういことになります。
結果は上にあるグラフの通り、筋肉痛、疲労共に、BCAAを摂取したグループの方が有意に軽減が見られたそうです。
つまり、BCAAをランニングダイエットと組み合わせると…
- 直接的に筋肉の分解を防ぐ栄養素を補給できる
- 脂肪の分解も助けることができ、効率的に脂肪燃焼できる
- 疲労や筋肉痛によるモチベーション低下を防げる
というHMBとは違う、より目的に合った効果が期待できます。
以上の理由から、もしランニングダイエットをしている方で、HMBを一緒にどうだろう?と考えている方がいれば、どちらかというとBCAAの方を一緒に併せた方が大きな効果が期待できるでしょう。
もちろん、既にBCAAを利用していて、何か追加のものを…という場合は、HMBをプラスしても良いとは思いますが、その場合でもBCAAを運動量にあわせて追加する、ということをした方が効果的かもしれません。
参考までに、BCAAの摂取目安量を大塚製薬のホームページから引用します。
結論:BCAAを2,000mg以上摂取することで血中BCAA濃度は確実に増大
運動時はBCAAの要求量が高まるため、運動30分前~運動中にBCAAを2,000mg以上摂取することがBCAAを効率よく作用させる為には重要であることが推察されました。
ランニング前に無酸素運動を取り入れるとさらに効果的
ランニングダイエットにHMBをプラスしてモチベーションもマックス!みたいな気持ちだったのに、この記事では「やめとけ!」みたいな話で、
ゲンナリしてしまった・・
ちょっとガッカリ・・・
という方のために…
とはいえ、何も今にはじまったことじゃないのですが、有酸素運動の直前には、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせると脂肪燃焼効率が上がるのでおすすめです。
強度の高い筋トレを有酸素運動の前に行うことで、成長ホルモンや生理活性物質が分泌され、体が脂肪燃焼モードにスイッチしやすいです。体温も上がるので、基礎代謝がアップした状態になり、より脂肪が燃焼しやすいです。
その後でランニングを行うことで、より効率的に脂肪とサヨナラしやすくなります。
有酸素運動の時間は、1回で20分以上とか、1回10分の運動を3回行ってもいいと言います。やりやすい内容で行えるのがベストです。
20分以上運動しないと脂肪が燃焼してこないというようなことを耳にする方がいると思いますが、近年の研究成果から、1日に30分の運動を1回行なっても10分の運動を3回行なっても、両者の減量効果に差のないことが認められています。つまり同じ運動であれば、その効果は総運動時間に対応するといえます。
この場合、有酸素運動で脂肪燃焼するだけでなく、筋トレが入ることで筋肉量アップのためのトレーニングも含むので、プロテインやHMBなどを、お手持ちのBCAAに加えればさらに目的に合った栄養素とトレーニングメニューでダイエットに励むことができます。
ランニングダイエットでHMBも活用する場合の例としては、
- 筋トレの1時間前にHMBを摂取
- 筋トレ30分前から運動中にかけてBCAA摂取
- 筋トレ後、15〜30分ほど休みながらBCAA摂取
- 有酸素運動開始
- 終了後、BCAA摂取
というような感じでOKです。
ボディメイクスイートでは、女性用のHMBのおすすめ商品のご紹介もしていますので、HMBも併用したい、という方は是非ご覧になってみてください。
(男性用のランキングは、まだなくてすいません・・!)
他に、筋トレの後、有酸素の前にプロテインを・・という考え方もあると思うのですが、このあたりは好みによって・・・な気がします。
筋トレの後にくる有酸素運動の強度が、わりと強度高いものをやる、となると、プロテイン飲んだ後の運動ってちょっと気持ち悪いと思うので・・お好みでどうぞ。
ウォーキングとかだったらいいかもしれません😊
まとめ「ランニングダイエットにはBCAAから!」
以上、ランニングダイエットとHMBの組み合わせについてでした。
HMBの効果とランニングダイエットの効果を照らし合わせて考えてみると、そのゴール・目的は必ずしも一致しません。
HMBは主に筋トレにとってメリットの大きな栄養素であり、有酸素運動であるランニングダイエットにはあまり有効とは考えられません。
一方、HMBではなくBCAAを積極的に摂取することで、ランニングダイエットの脂肪燃焼の効率化や、疲労・筋肉痛の軽減が期待できます。
こまめな水分補給が熱中症予防にもなるので、必ず用意したいのがBCAAのドリンク。あとは余裕があったら摂っとくか、くらいで良いと思います!
それぞれの栄養素の役割を知り、そのメリットを最大限受けることができるような使用方法を選んで、楽しくボディメイク・ダイエットに励みましょう😊
今回の記事があなたにとって、より良いライフスタイルのきっかけとなれば幸いです💪