要は…
と、言うわけで今回は筋トレと基礎代謝について佐藤忍が執筆いたします。
「筋トレして筋肉が1kg増えても1日に消費するカロリーは12〜13キロカロリーしか上がらず、効率が悪い。」というような情報をちらちら見かけます。
コレを鵜呑みにすると、ボディメイクやダイエットに筋トレや運動は効率悪いから、飲むだけで後はオッケーなサプリが一番だよ的な流れになっていたりします。
しかし、結論これは間違いです。
なるべくわかりやすくなるよう、説明していきますね。
筋トレが基礎代謝を上げるは事実。そして減量、痩せるための方程式とは?
まず筋トレして基礎代謝が上がるのはウソ?みたいな話もあるので最初に。
これはウソでもなんでもなく、本当です。筋トレで基礎代謝は上がります。「でも、効率が悪い」という話なんですが、逆にそっちがウソです。
何故かというと、この「効率」について何を根拠に言っているのか明示されないからです。
「A案、基礎代謝アップで筋肉1kgあたりの消費カロリーは13キロカロリー。これでは効率が悪いです。」
「しかし実はB案なら基礎代謝アップで体重1kgあたりで100キロカロリー以上も消費できるようになり、筋トレよりもずっと効率的です。」
というような素敵なB案を見たことがあるでしょうか?多分ないと思います。
一部ありますが、根拠としてどのくらいエネルギー消費量が増えるか?数字で明示されていないことがほとんだと思います。
「特に良い代替案はないけれども、とにかくこのサプリの方が効率が良いです」みたいな言い方ってフェアじゃないです。
少し回り道になりますが、まず前提として、効率を求める場合、基礎代謝どうのというより、「どうすれば体重が減るか?」ということをおさらいしてみます。
体重を減らす要因というのはシンプルなことで、
- 水分を減らす
- 宿便をなくす
- 脂肪を減らす
このくらいしかないと思います。(少し汚い話もあって申し訳ありません。)
単純に自分の重さを少しでも軽くするなら1とか2でも良いと思います。しかしこの3つから誰もが減らしたいのはもちろん脂肪です。
特に脂肪を減らすために必要な基本の行動というのは、「摂取カロリーよりも、消費カロリーの方が上回る状態をつくる」ということです。
で、食事制限で摂取カロリーを減らす、というのがまず1つ。
そして、あとは消費カロリーを増やすという1つ。
消費カロリーを増やすために、自分の意思である程度自由にコントロールできることは運動量を増やすしかありません。
というわけで、答えが出てしまうのです。
運動は意図的に消費カロリーを増やす上で必須科目です。
つまり効率がよかろうが悪かろうが何かしらの運動を取り入れることは、消費カロリーを増やす上で必要だということです。
筋肉をつけても基礎代謝は変わらないので効率が悪い、という場合、基礎代謝が大幅に向上する代わりの案が同時に出てきて、しかもそれが理論的に納得できる内容でない限り、この事実は揺るぎません。スピードを重視して減量やボディメイクをするなら、必ず運動が要ります。
そしてカロリーを消費しているのは、当たり前ですが基礎代謝だけではないのです。
このあたりは後ほどご説明します。
運動は効果アリ、ということでもう結論は出てしまいましたが、一応、さらに詳しく説明していきます。
そもそもこの基礎代謝、一体なぜ、ダイエットの基準とされてきているのでしょう?
基礎代謝って、そもそも何で、どのくらいカロリー消費に影響があるの?
そもそも基礎代謝というのは、「生きるために最低限必要なものとして、自動的に起こる活動で使うエネルギー」です。
例えば心臓とか勝手に動きますし、内蔵も胃腸など常に稼働状態ですよね。これらを止めないために消費するエネルギーが基礎代謝です。
1日に基礎代謝で消費されるカロリー
基礎代謝によって消費されるカロリー数ですが、一般に成長期を終え、安定した男女でいくと、女性なら1日約1200キロカロリー、男性なら約1500キロカロリーほど消費するそうです。
そしてこれは年齢によって段々下がっていきます。
個人差はありますが、厚生労働省が提供している資料がこんな感じなので、目安までに。
だいたいこのくらいはゴロゴロしても全く動かずに寝てても消費するエネルギーなんだなーくらいに思っていただいて。
で、食事制限とかで無茶やる人は基本この量より少ないカロリー摂取をしていれば理論的には体重が落ちていくわけです。
最近では家庭用の体重計でも基礎代謝が測定できるものも出てきました。ジムとかでもちゃんと自分の基礎代謝を測定できるマシンもあるので、活用したいです。
しかしこの基礎代謝に注目しすぎるのが良くないと思うんですよね、「自動的に」っていうところ。
ダイエットしたい人は自動的に痩せたい人が多いんです。
ダイエットに限らず、楽したい!料理も自動で出てきてほしい、自動でお風呂わいててほしい、自動で食器が洗ってもらえたら嬉しい、なんでもそうだしそれって願望としては自然です。
なので、この自動で消費する分を増やすために筋トレが大事、って言ったら、筋トレしたくなる人が増えるはず、ということで商品PRなどのためにここの概念を強調されてきてると思うんですよね。
だから筋トレは基礎代謝がよくなるから鍛えたら何もしなくても痩せやすく太りにくくなるよ、と。
実際に基礎代謝が起きている場所の内訳は内蔵がメイン。
でも、よくよく安静時の消費カロリーの増加だけお見ると、意外とそれが小さかった。
実際の基礎代謝は、主に内臓で発生する分が最も多く約60%、筋肉で消費するのは約22%と、そこまで多くないのです。
こちらの数値は多分男性の体重を元に算出していますが、さっきの参考として女性の1日1200キロカロリーで考えますと、筋肉が担当する分(22%)は264キロカロリーです。
1日黙ってても筋肉から消費されるカロリーっていうのが264キロカロリーと、コンビニのおにぎり1〜1.5個分くらいです。(おかかや梅など、ヘルシー系が160キロカロリー程度。牛しぐれや海老マヨネーズなどで200キロカロリー程度)
そんなにコンビニおにぎり食べる人もいなさそうなので、参考になるかわかりませんが…でも仮にこれが2倍になっても、おにぎり2〜3個分の差なので、あまり大差ない感じがしますよね。
そこに、インドア・インテリ勢のカウンターが入ってくるんですよね。
「筋トレ、超効率悪いぜ!」という反論が一時期盛り上がりました。
筋肉1kgあたりの基礎代謝アップ13キロカロリーはウソ?
主には、筋肉が1kg増えても基礎代謝が13キロカロリーしか増えない、という意見ですが、実際のところ、コレも定かではありません。
あるところでは除脂肪体重が1kg増えることにより、除脂肪体重1kgあたりの消費カロリーが27〜50キロカロリー程上がる、という上限値もばらつきのある数字が出ています。
ちなみに国立スポーツセンターでは、除脂肪体重1kg増加につき28.5キロカロリーの消費量アップが見込めると示してあります。
参考:アスリートの栄養管理について―国立スポーツ科学センターの場合―
この除脂肪体重というのは、要するに脂肪を除く内蔵、骨、筋肉など含めた重さ、ということです。筋トレをすると内蔵もサイズが変わり、血管にも変化があるので、それによる効果もあります。
ちなみに内蔵が大きくなる、特に筋肉でもある心臓のサイズアップは心臓肥大にあたり心不全を起こすリスクになるのでは?という意見もありますが、スポーツによって心臓が多少大きくなるのは自然なことです。
しかし運動もしないのに心臓が肥大している、となると原因がどこか身体の別にあり、危険なもの、とういことだそうです。
むしろ運動を毎日続けることで心不全のリスクが46%下がる、という統計もあります。
少し話がそれました。
除脂肪体重1kg増加につきと言いましたがこれは要するに筋肉1kg増やすよりもハードルが低い、ということです。
純粋に筋肉が1kg増えるためには、体重50キロ程度の女性で、完全なる初心者だと2〜3ヶ月程度かかります。
既に筋肉が十分に発達した方ほど、この伸びしろはより少なく、ハードルは上がります。
アスリートなども一緒ですが、上級者ほど結果を良くするのに必要な努力の質や量は大きくなっていくというわけです。
実際に1kg除脂肪体重が上がって、1日あたりの基礎代謝量が28.5キロカロリー増えたとして、1ヶ月で855キロカロリー。
体脂肪1kgは約7200kcalということなので、ちょっとしたおまけくらいの消費量しか増えないんですよね。
でも、運動した方が普通に早く痩せるじゃないですか?
これが僕がややこしいと思う理由で、「何もしない状態での基礎代謝」からボディメイクを語るのはあまり意味がないように思うんです。
ここまでをサックリとまとめ
・基礎代謝があがれば当然痩せやすい。
・しかし基礎代謝を大幅アップする方法はない。
・内蔵を鍛えると良い説もあるが、どの程度効果があるか明示できない。
・基礎代謝以外で減量を加速する時に、コントロールが一番きかせやすいのが筋トレ。
筋トレ女子必見!筋トレをすることで得られる(主にボディメイクに関する)メリット
筋トレで痩せやすくなるというのは、別に基礎代謝にだけ影響があるわけではありません。
筋トレしても大して痩せない、ということなら、運動してる人が引き締まっていくのも説明がつかないですよね。
基礎代謝のことだけを話題として減量やボディメイクのメリットデメリットを語るのが面倒の始まりなのです。
ですので、「基礎代謝が上がると…」という話ではなくて、「筋トレをすると」他にどんなメリットがあるのかということに焦点を合わせます。(多分、筋肉増やして痩せやすく…と考えるより筋トレしてすっごい疲れるけど、すごいスルスル痩せるし好きな体型に変わっていけるって思ってやるほうが、正しいと思います。)
筋トレをすることで、基礎代謝アップだけでなく、内蔵も強化され、熱を生み出す効率がアップして、脂肪細胞までも燃えやすくなるんです。
正直メリットは減量以外でもたくさんあるので、消費カロリーに関する部分、減量やボディメイクに関することだけに絞ってお伝えします。
活動代謝に加え、筋トレ後3日程度は基礎代謝がブーストし、痩せやすい。
何かと運動と基礎代謝を結びつけてしまうのですっかり忘れてしまいそうになりますが、動くことで消費するエネルギーを活動代謝と言います。
カラオケとかで1曲歌い終わった後に「今回の消費カロリー 14kcal」とか出てきますよね。アレが活動代謝です。
ちょっと大きな声で歌うだけでも、除脂肪体重が1kg増えた場合の1日の基礎代謝消費カロリーの半分です。2曲で増加した基礎代謝の1日分。筋肉増えても少し残念な感じがしますね。
そして、運動そのものの消費カロリーでいくと、スクワット10分間での消費カロリーは約50キロカロリーだそうです。
…少ないですよね。
筋トレは無酸素運動が主体になるので、消費カロリー自体は多くありません。
ですが筋トレによって、脂肪の代謝が一時的にブーストします。
ということで、ここまでの話と矛盾しているように感じるかもしれません。
しかし、これまでお話してきていたのは、「普段、何もしない安静時」の基礎代謝です。
筋トレをしていれば血行が促進され体温が上昇したり、筋肉痛による筋肉の回復のために、代謝活動がブーストし、メラメラ状態。
筋肉が別に増えていなくとも、負荷の強い運動の後には代謝が高まるのです。
その後は運動をしなくても、体内は穏やかではなく、安静ではありません。ボーナスゲームのように、何もしていなくてもきっちりカロリー消費していきます。
このボーナスゲーム状態はアフターバーンと呼ばれています。
その消費量、なんと通常の無酸素運動で消費された分の19倍になる場合もあるそうです。
一般的に見てもウォーキング1時間分くらいが消費されるそう。
さらにそこに追い打ちをかけるように有酸素運動を取り入れることで、熱を生み出す効率が上がります。
メリハリをもたらす自律神経のリズムが整って効率アップ。
色々とカロリー消費効率については、まだ解明が進んでいないところもあります。
ただ、筋トレを行うことで、自律神経のリズムが整い、それが燃焼効率を良化するという事実はあるそうです。
自律神経のリズムとは?というと、これは交換神経と、副交感神経からなる、1日の生活リズムのようなもの。
交感神経は主に昼間、活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時に働きます。
副交感神経は主に夜になり、休憩している時、眠っている時やリラックスしている時に働きます。
運動の後は気持ちのスッキリして、なんだかメリハリのある1日になることが多いと感じたことはありませんか?
逆に運動不足や眠り過ぎが続いて昼夜逆転してしまった際など、1日のペースが掴めない時…ないでしょうか?
これらが自律神経のリズムに関わっているところで、これが運動により整います。
交感神経がキビキビ働き、せっせと熱を作り出す効率がアップするというわけです。
ちなみにこれは、有酸素運動でも可能ですが、強度がない分、リズムができるまで時間がかかるもの。そういう意味でも、まず筋トレからスタートするのは熱をつくる、脂肪を燃焼する効率アップに役立ちます。
切なくなった脂肪が褐色脂肪細胞のような役割を担い始め、痩せやすくなる。
褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)というのをご存知でしょうか?
これは身体の中に40gほどしかない、特殊な脂肪で、心臓、腎臓の周り、首の周り、脇の下、肩甲骨の間と、ごく一部にしか付いていません。これが近くにある糖質や脂質を燃やして消費カロリーをアップする役割があります。
よく「太っても元のサイズに戻ろうとする」とか言いますよね?それをやるのが褐色脂肪細胞です。
一方で通常の脂肪、脂肪を溜め込む脂肪はというと、白色脂肪細胞と言いまして、褐色脂肪細胞とは真逆の役割です。貯め込む、貯め込む、という脂肪。
そして最近の研究でわかったのですが、、この白色くんが、筋トレによって褐色さんと同じように、熱を生み出す状態に持っていけるのです。貯め込む系の白色が、なぜか燃焼系の褐色と同じ働きをしはじめる、ということですね。
運動により筋肉でアイリシンという運動ホルモンが増加し、白色脂肪細胞と結びつくことで「ベージュ細胞」へと変化。
変化したベージュ細胞は、もともと白色細胞であったにもかかわらず、褐色脂肪細胞と同様に熱を生み出すのです。
参考:筑波大学大学院人間総合科学研究科 生命システム医学専攻 遺伝子制御学研究室
邪魔者扱いしてみんなで追い出そうとしてた脂肪が、なんか自分から燃えていく…というなんとも切ない状況になるわけです。
この研究結果を知った時、なんかちょっと切ない・・と思ったんです。でも燃やします。
筋トレした部位のまわりから脂肪が減り、肌の若返りも期待できる。
筋トレしたまわりからは脂肪がなくなっていきます。
これは筋トレしてある程度、筋肉が回復していくと、マイオカインという、若返りホルモンとも言われるものが分泌されます。
このマイオカインは、脂肪細胞に「分解してね〜」と指示だしをして分解したり、筋肉をつくったり、肌の若返り、老化の防止にも効果があります。
まずは筋肉を破壊することからはじまり、筋肉が綺麗に回復するのが重要です。
しかし、毎回決まった量が出て来るので、それを無駄にしないためにも最近話題のBCAAなどを摂取することにより、より効率良くこのサイクルをまわすことができます。
モデルさんなどがよく摂取しているサプリにも配合されています。みなさん肌のハリが違うのも納得ですね。
BCAAを毎日摂取することで、マイオカインを積極的に取り入れることができます。
まとめ:何事も、四の五の言わずに動いた人が成功する
ダイエッターにとって知りたいところでいくと、もう単純に筋トレしてから有酸素したら一番効率いい。で良い話でしたよね。
有酸素までやるのは面倒、なら週2回短時間だけ筋トレやる、みたいな。
いかがだったでしょうか。
基礎代謝だけを考えてダイエットやボディメイクを考えると、なんかややこしくなって始めるところまでがものすごく遠くなってしまうような気がします。
しかし痩せるのに必要なことは「摂取カロリー<消費カロリー」ということだけです。
これを解決するのに最も効率的なのは、運動量を増やし、適切な栄養を補助的に取り入れること。
結局は5分でも10分でも、何かやった人がうまくいきます。
実際に筋トレ女子として自宅トレーニングでも着々と成果を出して輝きまくっている女性たちについての記事もありますので、ご興味がありましたらそちらも是非ご覧になってみてくださいね。
また、女性には特に役立つ内容だと思いますが、筋トレ女子、最強腹筋女子で最近はスポットが当たる機会の多いゆんころさんがテレビ出演時にオススメしていた、トレーニングもおまとめしています。
こちらは基礎代謝アップに非常に効果的な内容ですし、ダイエットした男性も、痩せながら美しい体型をつくっていきたい女性にとっても役立つ内容です。
この記事があなたにとってより良いライフスタイルのきっかけになりますように。