「カメノコ」という名前の牛肉、耳にしたことはありますか?実はこれ、牛のもも肉の一部である「シンタマ」という部位から取れる、とっても希少な牛肉部位なんです。
シンタマの中でも、外側に位置し「シンシン」という部位を覆うように存在しているのがカメノコ。その形が亀の甲羅に似ていることから、「カメノコ」と呼ばれるようになったんですよ。
今回は、カメノコが一体どんな部位なのか、その特徴や見分け方、そして美味しい食べ方まで、詳しくご紹介していきます。これを読めば、あなたもきっとカメノコを食べてみたくなるはず!
カメノコとは?牛肉の部位や名前の由来について詳しく解説
カメノコは、牛の後ろ足の付け根の部分に位置する「シンタマ」と呼ばれる部位の一部で、牛肉の中でもきめ細かい赤身肉として知られています。牛肉の中でもわずかしかとれない希少部位のため、その味わいが気になっている方も多いと思います。ここではカメノコについて
- カメノコの部位
- カメノコの名前の由来
について解説します!
カメノコはどこにある?部位を解説
カメノコは、牛の後ろ足の付け根の部分に位置する「シンタマ」と呼ばれる部位の一部で、牛肉の中でもきめ細かい赤身肉として知られています。シンタマの中でも外側にあり、霜降りが美しい「シンシン」という部位を覆うように位置しています。
カメノコは、その部位の特性上、水分を多く含んでいません。そのため、火を通しすぎると肉質が硬くなってしまう、繊細な部位と言えるでしょう。
調理方法としては、肉の旨味をダイレクトに味わえる、シンプルな味付けでいただくのがおすすめの部位です。
カメノコの名前の由来とは?
カメノコは、断面が亀の甲羅のような模様をしていることから、「カメノコ」と呼ばれるようになったという説があります。「カメノコウ」と呼ばれることもあります。
牛1頭から少量しか取ることができない希少部位としても知られています。
カメノコの特徴と魅力
牛肉の希少部位であるカメノコにはどのような特徴や魅力があるのでしょうか?ここではカメノコの魅力として
- しっかりとした赤身の旨味
- さっぱりとした味わいの秘密
この2点について解説します!
しっかりとした赤身の旨味
カメノコは、牛のもも肉の中でも特に筋肉質な部分で、赤身肉らしいしっかりとした繊維質と濃厚な味わいが特徴です。脂身が少ないため、ヘルシー志向の方にもおすすめです。
きめ細かい肉質のため、白く細かいサシが入り、ワイルドな噛み応えを楽しめます。ただし、焼きすぎると固くなってしまうため注意が必要です。薄切りにしてさっと炙るように焼くと、肉の旨味を最大限に味わえます。
硬いけどうまい、というのがカメノコ最大の魅力。噛めば噛むほど赤身肉特有の旨味がじんわり広がって非常に味わい深い部位です。
さっぱりとした味わいの秘密
カメノコは、赤身が多く脂が少ない部位のため、牛肉本来の旨みをしっかりと味わえます。さっぱりとした後味が特徴で、何枚食べても重たく感じないのも魅力です。
肉の鮮度が良いほど、より一層、カメノコの特徴であるさっぱりとした食感と風味を堪能できます。新鮮なものを選び、シンプルに焼肉として味わうのがおすすめです。下味を付ける場合は、肉の旨みを邪魔しないよう、塩コショウなど最低限の味付けに留めておきましょう。焼き加減はレア~ミディアムレアがおすすめ。焼きすぎると肉が硬くなってしまうので注意が必要です。
カメノコと他の部位との違い
硬くて旨い!カメノコですがこの部位はシンタマの一部。他のシンタマ部位との違いを知ると、また違った楽しみ方ができます。ここではカメノコ同様にシンタマ部位である
- トモサンカク
- シンシン
- マルカワ
について解説します!近い位置でも部位によって風味がガラッと変わるのがシンタマの魅力。それぞれの違いを知ることでカメノコのさっぱりとした味わいをより一層楽しむことができますよ。
トモサンカク
トモサンカクは、モモの付け根に位置する筋肉で、後脚の動きを制御する重要な役割を担っています。漢字で書くと「友三角」と表記されます。この部位は霜降りが入りやすく、味にコクがあるため人気があります。特に、黒毛和牛のトモサンカクはその美味しさで知られており、希少価値も高いです。
シンタマの中ではサシが入りやすく、程よい赤身とのバランスが取れているため、食べやすさが抜群です。しかし、よく動く筋肉であるため、やや硬めの肉質となります。和牛や交雑牛のトモサンカクは焼肉用として最適で、美味しくいただけます。
一方、ホルスタインのトモサンカクは硬さが強くなるため、スライスして食べるのがおすすめです。希少価値が高く、味も確かなので、食べる機会があればぜひ試してみてください。
マルシン(シンシン)
マルシン(シンシン)は、牛肉のシンタマと呼ばれる部位の中心に位置する、ラグビーボールのような形をした筋肉です。シンタマの中でも最もきめが細かく、柔らかい肉質が特徴で、赤身と脂身のバランスがとれているため、牛肉本来の旨味を存分に味わえると人気があります。
マルシンは、シンタマの中心にあることから漢字では「芯々」と書かれることもあります。周囲をカメノコやマルカワといった部位に覆われており、シンタマの中でも希少価値の高い部位として知られています。
マルシンは、その形を生かしてローストビーフにしたり、ステーキなどのシンプルに肉の旨味を味わえる料理に最適です。きめが細かく柔らかいので、薄切りにしてしゃぶしゃぶや炒め物に利用するのもおすすめです。
同じシンタマの一部であるカメノコと食べ比べると、肉のきめ細かさや風味の違いを感じることができます。
マルカワ
マルカワは、牛のシンタマと呼ばれる部位の一部で、シンシンを内側から覆うように位置する筋肉です。シンタマの中でも赤身が多く、比較的硬い部位ですが、骨周りの肉ならではの濃厚な旨味が特徴です。マルカワはシンタマの中でもカメノコやトモサンカクと比べると形が良くないため、切り出すのが難しく、量も少ない希少部位とされています。
そのため、スーパーなどでは見かけることが少なく、精肉店でも取り扱っているお店は限られます。マルカワは、その濃厚な味わいを活かして、ビーフシチューやカレーなどの煮込み料理に最適です。弾力のある歯ごたえを楽しむことができ、噛むほどに肉の旨味が口の中に広がります。
カメノコの美味しい食べ方
カメノコを食べるなら赤身の旨味がじっくり味わえる料理がおすすめ。ここではカメノコに合う調理法として
- 焼肉として楽しむ方法
- ステーキでの調理法
- 煮込み料理のポイント
について解説します!
焼肉として楽しむ方法
焼肉としてカメノコを一番おいしく食べるなら、やはり焼肉でしょう。牛肉の中でも赤身が多いカメノコは、さっぱりと食べられるのが特徴です。
薄いピンク色に焼き上がったカメノコを口に入れると、脂っぽくなく、いくらでも食べ進められます。味付けは、塩コショウやわさび醤油がおすすめです。肉の旨味をシンプルに味わうことができます。もちろん、タレや塩ダレもカメノコの美味しさを引き立ててくれます。
どんな味付けをする場合も、肉本来の美味しさを味わうために、少量だけつけるのがポイントです。中火でサッと焼くのも、ジューシーに仕上げるコツです。焼きすぎると肉汁が逃げてしまうので注意しましょう。
ステーキでの調理法
カメノコは、焼肉だけでなくステーキとしても人気の高い部位です。赤身と脂のバランスがよく、濃厚な旨味が楽しめるのが魅力です。ステーキにする際は、厚切りにするのがおすすめです。2~3cmほどの厚さにカットすることで、肉の旨みを存分に味わうことができます。
カメノコは赤身が多い部位なので、焼きすぎると硬くなってしまう点が注意点です。肉の表面を強火で焼いて香ばしい焼き目をつけたら、火を弱めるかアルミホイルで包んで余熱でじっくりと火を通しましょう。こうすることで、柔らかくジューシーに仕上がります。
味付けはシンプルに塩コショウだけでも肉の旨味を堪能できますが、おすすめはニンニクを効かせた味付けです。ステーキを焼く際に、スライスしたニンニクや刻んだニンニクチップを一緒に焼くと、風味が移り食欲をそそります。ニンニクの香ばしさとカメノコのさっぱりとした赤身の相性は抜群です。お好みで、わさび醤油やポン酢などの和風ソースでいただくのも良いでしょう。
煮込み料理のポイント
カメノコは、牛の中でも特に希少部位として知られていますが、その美味しさから煮込み料理にも最適です。赤身と脂身のバランスが良く、きめ細かい肉質が特徴で、煮込むことで驚くほど柔らかく仕上がります。
おすすめは、ビーフシチューや赤ワイン煮込み、トマト煮込みなど。カメノコは味が染み込みやすいので、短時間でも美味しく仕上がりますが、時間をかけてじっくりと煮込むことで、より一層深い味わいを堪能できます。低温で長時間煮込めば、肉の旨味が溶け出し、コクのある贅沢な一品に。
いつもの煮込み料理にカメノコを使うだけで、ワンランク上の味わいを楽しめます。ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。
カメノコに合う飲み物
焼肉やステーキにぴったりなカメノコなので、もちろんお酒との相性もバッチリです。ここではカメノコと合うお酒として
- ワインとの相性
- 日本酒
をご紹介します。
カメノコとワインとの相性
カメノコは、牛肉の中でも赤身のさっぱりした旨味が強い希少部位として知られています。濃厚な味わいが魅力のカメノコですが、実はワインとの相性が抜群です。赤身肉とワインの組み合わせは定番ですが、カメノコの場合は、その味わいの深さから、より一層ワインとのペアリングを楽しむことができます。
赤ワインを選ぶなら、フルボディのものがおすすめです。しっかりとしたタンニンのあるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどは、カメノコの旨味に絶妙にマッチし、互いの個性を引き立て合います。まろやかな味わいを求めるなら、ピノ・ノワールもおすすめです。
意外に思われるかもしれませんが、白ワインとの相性も良いです。特に、シャルドネのようにコクと酸味のバランスがとれたワインは、カメノコの味わいをより一層引き立てます。
ワイン選びによって、カメノコの味わいはさらに豊かになります。ぜひ、色々な組み合わせを試して、お好みのペアリングを見つけてみてください。
日本酒とカメノコの組み合わせ
特に、カメノコの濃厚な味わいは、コクのある純米酒や熟成された古酒と絶妙に調和します。カメノコのさっぱりとした旨味と、日本酒の芳醇な香りのコンビネーションは、まさに至福のひとときを演出してくれるでしょう。
また、わさびやニンニク、生姜などの薬味を添えても、カメノコと日本酒の相性を一層楽しむことができます。例えば、わさびの爽やかな辛味は、カメノコのさっぱりした味わいにマッチし、よりスッキリとしった後味に。日本酒も、キリッとした辛口の純米吟醸酒を選ぶと、より一層味わいが引き締まります。
一方で、ニンニクや生姜のパンチのある風味には、力強い味わいの純米酒がおすすめです。それぞれの食材の個性を引き立て合いながら、奥深いハーモニーを生み出す組み合わせを見つけるのも、カメノコと日本酒を楽しむ醍醐味と言えるでしょう。
カメノコの捌き方と下処理方法
カメノコの捌き方と下処理方法をご紹介します。
まず、裏面のスジを取り除きます。次に、裏面の余分な脂を取り除きます。次に、表面の分厚い脂を赤身が出るまで取り除きます。ただし、脂身を残したい方はそのままでも大丈夫です。最後に、お好みの分厚さに切れば下処理は完了です。
カメノコは部位によって食感が異なります。薄くなっている部分は固く歯ごたえがあり、分厚い部分は柔らかい特徴があります。そのため、場所ごとに切り方を変えるのがおすすめです。例えば、薄い部分は細切りにして炒め物に、分厚い部分はステーキや煮込み料理に適しています。
カメノコのおすすめレシピ
カメノコの美味しい食べ方はご説明しましたが、ここでは改めておすすめのレシピをご紹介します。
ローストビーフの作り方
カメノコのブロック肉を使ったローストビーフのレシピをご紹介します。
- まず、前日にカメノコ肉をローズマリーやローリエなどのハーブと一緒にジップロックに入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます。ハーブ漬けは省略しても構いません。
- 次に、調理の前に肉を冷蔵庫から出し、常温に戻します。これにより、肉が均一に焼けます。
- フライパンを強火で熱し、カメノコ肉の全体に素早く焼き目をつけます。焼き目がついたら、180℃に予熱したオーブンで20分から25分焼きます。
- オーブンから取り出したら、肉をアルミホイルで包み、10分間寝かせます。この間に肉汁が落ち着き、ジューシーな仕上がりになります。
- その後、ジップロックに入れたタレに2時間程漬け込みます。タレは漬け込まず、後がけでも大丈夫です。
最後に、お好みの厚さにスライスして完成です。このローストビーフは一品料理としても、サラダのトッピングとしてもおすすめです。ぜひお試しください。
ネギ塩焼のレシピ
カメノコのネギ塩焼のレシピをご紹介します。
作り方はとてもシンプルです。
まず、カメノコを薄切りにします。次に、コショウを振り、薄切りにしたカメノコにネギ塩ダレを乗せます。タレが落ちないようにカメノコで包み、片面を炙って完成です。
切ってネギ塩タレを乗せるだけなので、短時間でできるおすすめレシピです。お店っぽさを味わえるメニューとしていかがでしょうか。
カメノコのタタキの調理法
カメノコのタタキのレシピをご紹介します。カメノコは牛肉の一部で、特にタタキに適しています。このレシピでは、外側をしっかりと炙り、内側はレアに仕上げます。
まず、カメノコの外側部分をしっかりとトリミングします。これにより、余分な脂肪や筋を取り除き、食べやすくします。次に、カメノコの表面を強火でしっかりと炙ります。表面が均一に焼けるように注意してください。
炙ったカメノコをジップロックに入れ、氷水に浸けます。これにより、急速に冷やして肉の内部温度を下げ、食感を引き締めます。最後に、お好みの厚さに切り分けます。薄めに切ると食べやすく、風味も引き立ちます。
牛肉の内部には菌がいませんが、表面には大腸菌などが潜んでいる可能性があります。調理前にしっかりとトリミングし、長時間放置しないようにしましょう。調理後は早めに提供することをお勧めします。
カメノコの選び方と購入方法
美味しいカメノコを選べば、さらに希少な部位の深い味わいが楽しめます。ここではカメノコを購入する際にチェックしたい
- 色合いのツヤ
- ドリップの有無
といったところについて解説します!
通常の牛肉だとこれらに加えて脂の色味もみるのですが、カメノコは部位の特性として、ほぼ赤身のみの肉なため、色ツヤとドリップだけで判断します。
色合いのツヤをチェック
新鮮で美味しい牛肉を選ぶ際には、まず色合いのツヤをチェックしましょう。理想的な牛肉は、ツヤのある鮮やかな赤色をしています。ほとんどの牛肉は赤色ですが、微妙な色の違いが鮮度を示します。特に黒っぽい赤色は、時間が経過して鮮度が落ちているサインです。
ドリップの有無
牛肉の切り口から赤色の液体が滴るものは避けるべきです。これは「ドリップ」と呼ばれるもので、お肉の品質に関係しています。ドリップは、冷凍や解凍、または肉の保管状態によって、肉の細胞が傷つき、中に含まれていた水分が外に出てしまう現象です。
ドリップには、たんぱく質やビタミン、アミノ酸などの栄養素、そして肉の旨味成分も含まれています。つまり、ドリップが多いということは、せっかくの栄養や旨味が逃げてしまっているということになります。
カメノコを選ぶ際、ドリップがでていないものを選ぶことは、より美味しく、栄養価の高いお肉を選ぶポイントと言えるでしょう。
カメノコが購入できる場所とおすすめ店舗
カメノコは、さっぱりとした食感が魅力の牛肉部位ですが、スーパーマーケットや精肉店で購入する際は、牛の種類や産地によって肉質や風味が異なる点を意識することが大切です。例えば、きめ細かい霜降り肉質と濃厚な旨みが特徴の黒毛和牛は、日本国内で厳しい条件をクリアした牛から取られるため、上質なカメノコを求める場合に最適です。
しかし、スーパーマーケット以外に、近年では通販でも気軽に購入できるようになりました。自宅にいながら、全国各地の精肉店から取り寄せられるため、より多くの選択肢の中から選ぶことができます。
通販サイトを利用する際は、牛の種類や産地だけでなく、実際の商品写真や他の購入者の口コミも参考にすると、より安心して購入できます。産地や飼育方法にこだわった商品を提供する専門店も増えているので、比較検討してみるのも良いでしょう。
まとめ:カメノコの魅力と楽しみ方
カメノコは、牛の後ろ脚の付け根部分に位置する希少な部位で、その特徴的な食感と風味が魅力です。赤身が多く、脂肪が少ないため、ヘルシー志向の方にもおすすめです。カメノコの肉質は非常にきめ細かく、しっかりとした噛み応えがありながらも、噛むほどに肉の旨味が広がります。
この部位は炙りやタタキ、焼肉などでサッと火を通して食べると赤身肉のさっぱりとした旨味を堪能できます。
かたくて旨い希少部位カメノコを楽しむためには、適切な調理法と焼き加減が重要です。自宅で調理する際には、事前にしっかりと下準備を行い、肉の特性を活かした調理を心がけましょう。