希少!牛クリミ(クリ・肩三角)はどこの部位?味の特徴や美味しさを引き出す調理法・レシピを解説!

牛肉の中でも特に希少な部位として知られる「クリミ(クリ・肩三角)」。この部位は、赤身肉の力強い旨味とさっぱりとした脂身のバランスの良さが特徴です。

限られた量しか流通しておらず、その希少性から特別な食材として扱われています。クリミは、運動量の多い濃厚な旨味のウデ部位に、適度な脂肪が織り交ざっており、焼き加減によってその美味しさが引き立ちます。

この記事では、クリミの部位について詳しく解説し、味の特徴やその美味しさを最大限に引き出すための調理法やレシピを紹介します。ぜひ、クリミの魅力を堪能してみてください。

目次

クリミ(クリ・肩三角)部位の基礎知識

クリミは、牛の前足の上部、肩から続く腕の部分のお肉を指します。形は三角形をしており、ウデの中でも一番大きくメインとなる部位です。ここではこのクリミについて

  • クリミ(クリ・肩三角)の部位の特徴
  • クリミ(クリ・肩三角)の味わい
  • クリミの別名と呼び方

と、それぞれ解説していきます!

また、クリミを含むウデの他の部位がきになる!という方は別の記事でもご紹介しているので是非ご覧になってみてください!

クリミ(クリ・肩三角)の部位の特徴

クリミは、あの高級部位として知られるミスジと繋がっている部位でもあります。ミスジが肩の部分にあるのに対し、クリミはそのすぐ下の腕の部分にあたります。赤身肉であるクリミは、きめ細かい肉質が特徴です。

大きな部位であるため、クリミは位置によって肉質が異なり、硬い部分と柔らかい部分に分かれます。そのため、それぞれの部位に適した調理法を選ぶことで、より一層美味しく召し上がることができます。

クリミ(クリ・肩三角)の味わい

クリミは、きめ細かい肉質が特徴で、上質なものは「コザシ」と呼ばれる細かなサシが全体に入っています。そのため、濃い赤色の赤身と白色のコザシのコントラストが美しく、食欲をそそります。

クリミは運動量が多い部位なので、タンパク質が豊富で旨味が強い点が魅力です。スープにも使われるほど、お肉本来のエキスが詰まっており、他の赤身肉と比べて旨味の強さは別格と言えるでしょう。

意外としっかりとした歯ごたえながら、味わいはさっぱりとしています。赤身のクセや脂の甘さは強すぎず、程よい風味で、食べた後もさっぱりとした後味が続きます。旨味が強い赤身肉の美味しさを持ちながら、胃もたれせず、バランスの取れた味わいが楽しめる、通好みの部位と言えるでしょう。

クリミの別名と呼び方

クリミは、その名の通り栗に似た三角形の形状から名付けられました。しかし、「クリミ」以外にも様々な呼び方で呼ばれています。「クリ」「肩三角」といった形状の特徴を表すものや、「しゃくし」「べり」など独特な表現も存在します。また、「腕三角」という呼び名も存在します。

希少部位ではあるため、精肉業界では「ミスジ」としてまとめて販売されていたり、ミスジとつながっている部位であることから「クリミスジ」と表記されているケースもあります。このように、クリミは地域や販売店によって様々な呼び方をされています。

クリミ(クリ・肩三角)を美味しく楽しむ方法

赤身と脂身のバランスが良いクリミは様々な調理法で楽しむことができます。ここではクリミに適した調理法をいくつかご紹介します!

焼肉で楽しむクリミ(クリ・肩三角)

牛肉の中でも通好みの部位として知られる「クリミ」。特に焼肉で楽しむクリミは格別です。サッと炙るように焼けば、表面は香ばしく、中はレアのジューシーな仕上がりに。噛むほどに肉の旨みが口いっぱいに広がります。

クリミは脂が少ない赤身肉なので、焼きすぎると固くなってしまうことも。美味しい焼き加減の目安は、肉の表面の色が変わってきたら裏返す程度です。焼き加減を調整することで、お好みの食感を楽しむことができます。

また、クリミは肉の等級によってサシの入り方が異なるのも特徴です。サシが多い場合は、網の上で炎が上がりやすいので注意が必要です。部位の特性を理解し、適切な焼き加減で、極上のクリミを堪能しましょう。

ローストビーフとしてのクリミ(クリ・肩三角)

ローストビーフというと、モモ肉を使うイメージが強いですが、肩肉のクリミを使えば、一味違ったおいしさを楽しむことができます。

クリミは、肩肉の中でも赤身と脂身のバランスがとれた部位。ローストビーフにすることで、赤身の旨味と脂身の甘みが口の中にじんわりと広がります。

冷たいまま食べれば、脂っこくなく、さっぱりとした味わいが楽しめます。噛めば噛むほど、肉の旨味が溢れ出す、食べ応えのある調理法です。

赤身の旨味を楽しむならクリミ(クリ・肩三角)のタリアータ

牛肉の旨みをシンプルに味わえる「タリアータ」。表面をサッと炙ってレアに仕上げた牛肉は、中はしっとり柔らかく、外は香ばしいコントラストが楽しめます。

クリミを使う場合は、脂のしつこさがなく、牛肉本来の味がより一層引き立ちます。彩り豊かな野菜を添えれば、見た目も鮮やかで食欲をそそる1皿に。仕上げに、バルサミコ酢の酸味とパルミジャーノチーズのコクが絶妙なアクセントとなり、忘れられない味わいを演出します。

大切な日のディナーや、おもてなし料理にもおすすめです。

カルパッチョで味わうクリミ(クリ・肩三角)

クリミは、赤身と脂身のバランスが良く、濃厚な旨味が特徴です。とはいえ、脂っこいわけではなく、さっぱりとした後味が楽しめるのも魅力のひとつ。そこでおすすめなのが、カルパッチョです。薄切りにしたクリミに、オリーブオイルとレモン、塩コショウといったシンプルな味付けをするだけで、素材本来の美味しさを存分に味わえます。

表面を軽く炙ることで、香ばしさが加わり、さらに食欲をそそります。レアに仕上げることで、しっとりとした食感と、噛むほどに溢れ出す肉汁も楽しむことができます。

鮮やかな赤身と、新鮮な野菜の緑色のコントラストが美しく、食卓を華やかに彩ります。写真映えも抜群なので、おもてなし料理にも最適です。ぜひ、新鮮なクリミを見かけたら、カルパッチョに挑戦してみて下さい。

スープに合うクリミ(クリ・肩三角)の使い方

牛肉の濃厚な旨味が溶け出したスープは、クリミならではの魅力です。あっさりとした脂は、コク深い味わいを残しながらも、後味は驚くほどすっきり。

野菜を加えれば、栄養満点の一皿にもなります。いつものスープとはひと味違う、ワンランク上の味わいをぜひお楽しみください。

クリミのおいしい焼き加減は「レア」で

クリミは、程よい肉の弾力を感じられる肉質が特徴です。しかし、赤身肉のため、焼きすぎてしまうと固くなってしまい、せっかくの美味しさが半減してしまいます。クリミの旨みを最大限に引き出すには、レアに仕上げるのがおすすめです。

表面をさっと炙るように焼き、中はほんのり温かい程度に仕上げることで、クリミ本来の旨みが凝縮され、至福の味わいを堪能できます。

焼き加減は、レアがおすすめですが、お好みでミディアムレアでも美味しく召し上がれます。絶妙な火加減が求められるため、まさに料理人の腕の見せ所と言えるでしょう。

クリミ(クリ・肩三角)に合うお酒

ここではクリミのさっぱりとした美味しさにぴったり合うお酒をご紹介します!

クリミ(クリ・肩三角)に合うお酒①ビール

クリミをより一層楽しむには、お酒とのペアリングが欠かせません。おすすめは、ずばりビールです。

赤身肉のしっかりとした旨味とコクを引き立ててくれるのは、軽やかな味わいのラガービール。爽快な喉越しで、クリミのさっぱりした後味とも相性抜群です。

一方で、クリミは他の部位と比べて脂身が少ないのも特徴です。そこで試していただきたいのが、コクと苦味を持つ黒ビールとの組み合わせ。濃厚な味わいの黒ビールが、クリミの旨味をさらに引き立て、奥深いハーモニーを生み出します。

クリミ(クリ・肩三角)に合うお酒②赤ワイン

クリミ(クリ・肩三角)と赤ワインの組み合わせは、まさに食の喜びを倍増させる名コンビといえます。赤身肉であるクリミには、力強いコクと芳醇な香りが特徴のフルボディの赤ワインがおすすめです。

牛肉と赤ワインの両方に含まれる乳酸は、口の中で驚くほど調和し、互いの旨味を引き立て合います。しかし、フルボディの赤ワインなら何でもいいわけではありません。クリミの繊細な味わいを最大限に楽しむためには、渋みと酸味のバランスが重要になります。

おすすめは、ボルドー地方の赤ワイン、特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー種を主体としたものです。これらのワインは、しっかりとしたタンニン(渋み)を持ちながらも、果実味とのバランスが良く、クリミの味わいを邪魔することなく、むしろ引き立ててくれます。熟成したヴィンテージを選ぶと、まろやかさが増し、より一層クリミとの相性が良くなります。

ぜひ、お気に入りの一本を見つけて、至福のマリアージュを体験してみてください。

クリミ(クリ・肩三角)に合うお酒③日本酒

牛肉の中でも、濃厚な味わいが特徴のクリミ(クリ・肩三角)は、日本酒と抜群の相性を誇ります。肉の力強い旨味と脂の濃厚さに、日本酒のキレの良い味わいが驚くほどマッチするのです。

特に、クリミの濃厚な旨味には、すっきりとした味わいの純米吟醸酒がおすすめです。純米吟醸酒は、深みのある味わいと香りのバランスが良く、フルーティーな香りが特徴です。

比較的、酵母感や吟醸香が強い純米大吟醸酒と比べて香りが強すぎないため、クリミの味わいを邪魔することなく、引き立ててくれます。肉の脂を洗い流し、後味をさっぱりとさせてくれるので、最後まで飽きずに楽しめます。

また、日本酒は温度によって味わいが変化するお酒としても知られています。

例えば、クリミを使ったカルパッチョにはキリリと冷えた冷酒を、ステーキや焼肉には、冷や(常温)でいただくことで、吟醸酒ならではの香りや淡麗な味わいを堪能できます。温度を変えることで、様々な表情を見せる日本酒とクリミの調和を、ぜひお楽しみください。

クリミ(クリ・肩三角)の捌き方

クリミは、焼肉やローストビーフ、カルパッチョなど、様々な料理に活用できる万能な部位です。そのため塊肉で購入したい!というマニアックな方もいるかもしれません。ここではクリミのさばき方を簡単に解説します。

①クリミを調理する上で最も重要な点は、スジの処理です。最初に、表面に浮き出たスジを丁寧に除去します。その後、中心部にある中スジで二つに分割します。この際、肉の繊維を断ち切るように包丁を入れると、より綺麗に切り分けることができます。

②スジの処理が完了したら、用途に合わせて厚みを調整して切り分けます。

焼肉に使う場合は、5mm程度の厚さがおすすめです。ステーキにする場合は、焼肉よりも少し厚めに、1.5cm~3cm程度を目安にカットすると、肉の旨味をより一層楽しめます。

ローストビーフやカルパッチョのように、内部をレアに仕上げたい場合は、塊のまま調理するのが良いでしょう。クリミは比較的薄くて量も少ない部位なので、スジを取り除いた状態をそのまま塊肉として調理すると、肉の旨みを最大限に引き出すことができます。

クリミ(クリ・肩三角)を使ったおすすめレシピ:クリミのカルパッチョ

クリミの魅力を最大限に引き出すカルパッチョレシピをご紹介します。

まずは、下ごしらえとしてクリミの筋を取り除き、カルパッチョ用に開いていきましょう。塩胡椒を丁寧にすり込み、肉の表面に馴染ませたら、常温に戻すことが重要です。室温にもよりますが、目安として400gなら40分、500gなら50分ほど置いてください。

※この際、しっかりと常温に戻っていないと、中心部が生焼けになり食中毒の危険性も出てしまうため注意が必要です。

常温に戻ったら、表面を軽く炙っていきます。鉄串に刺して直火で炙ったり、フライパンやグリルで焼いたりなど、お好みの方法で構いません。炭火で香ばしく仕上げるのもおすすめです。

軽く火が通ったら、肉汁を閉じ込めるために休ませる工程に入ります。加熱後すぐにカットしてしまうと、せっかくの旨味が流れ出てしまうため、粗熱をとるようにしましょう。

お肉を休ませている間に、カルパッチョに添える野菜やドレッシングの準備をすると効率的です。クリミは、イタリアンはもちろん、和風テイストにも合うので、ドレッシングや野菜の組み合わせは自由自在です。

あっさりとした味わいのクリミは、オリーブオイルベースのシンプルなドレッシングから、チーズを使った濃厚なドレッシングまで、幅広く楽しむことができます。

ぜひ、今回のレシピを参考に、ご自身でもアレンジを加えながら、クリミのカルパッチョを作ってみてください。

クリミは希少部位!赤身の旨味とさっぱりした脂身を楽しもう!

ミスジという人気の高級部位のすぐ下に位置する「クリミ」。ウデ肉の中でも美しい霜降りと、濃厚な旨みが特徴の希少部位です。1頭からわずかしか取れないため、なかなか市場に出回らないのも希少価値を高める理由です。

特に、すき焼きやしゃぶしゃぶの需要が高まる冬場は、ウデ肉を丸ごとスライスして販売することが多いため、「クリミ」を単品で味わう機会はさらに限られます。

口に入れた瞬間、濃厚な肉のエキスが広がりますが、くどさは感じません。脂身が苦手な方でも美味しく召し上がっていただけるでしょう。

焼肉として味わうのがベストですが、ローストビーフやたたき、ステーキなど、さまざまな楽しみ方ができます。赤身肉なので、火を入れすぎると硬くなってしまう点に注意が必要です。サッと火を通し、素材本来の旨味を堪能してください。精肉店などで「クリミ」を見かけることがあったら、貴重な部位ですのでぜひ選んでみてください!

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